この映画が製作されることがネットの映画かロック関係のニュースで流れてきた頃、
ライブ映画の方のニュースも前後してあったので、スタジオドキュメンタリー?ライブドキュメンタリー?
ロックフィールド?ネブワース?と混ざってしまってどっちだったっけ、と考えてたら、
別物で2本撮るということで、驚きました。
だって、オアシスじゃなくてノエルと二人でもなく、リアム単独で映画2本って😳
前々から感じてた、リアムを取り巻く経済の真綿(闇)の印象がまた強くなってしまいました。
いや、こんな私個人の前日譚なんてどうでも良いことですが。
観るか観ないかちょっと悩んで、結局観に行った、
『リアム・ギャラガー in ロックフィールド オアシス復活の序章』
原題はLiam Gallagher 48 hours at Rockfield なので別にオアシス再結成と結びつけてないし、
映画の中のリアムもネブワースのことばっかり言ってます。
ネブワース。
ここでのそれは、リアム・ギャラガーが2022年6月3日と4日に行ったライブのことですね。
この時は二日間で17万人動員。
オアシスが1996年に行った時には二日間で25万人動員して、最高記録を更新、大変話題になりましたね。
過去にはレッド・ツェッペリンやピンク・フロイドなどの、名だたる大御所先輩ミュージシャン諸氏がここで演奏しているのですが、
今やもう、「ネブワース」と検索してもオアシスのライブのことばかり出てきます。
このライブのことをドキュメンタリー映画にした『オアシス:ライブ・アット・ネブワース1996.8.10 』は2024年日本公開。
これは素晴らしかった!本当に。
今、劇場で観るべきはこの映画では?
そうよ、そうですよ!再結成オアシス東京ドームに合わせてこれの再上映して欲しかったです。
この「オアシス1996ネブワース」のステージでノエル・ギャラガーがMCで言ってた言葉、
“This is history, this is history, right now, right here, this is history!”は思い出しても胸が熱くなります。
これはミッシェル・ガン・エレファントがフジロックでライブした時のチバユウスケさんのMC、
「俺たちが、日本の、ミッシェル・ガン・エレファントだ!」
と並んで、私の中の「野外ライブ・ヒストリカル名言MC」となっています。
ミッシェルのドキュメンタリー映画も良かった😭
しかもミッシェルとオアシスって同時期にロンドンの同じスタジオでアルバム収録してたんですもの。
何だか縁を感じてまた胸が😭
って、リアムです。リアム。
この映画はスタジオ演奏とインタビューに答えるリアムの映像がで割くらい、
彼の長男と次男、レノンとジーンとの戯れのシーンで1割、ロックフィールドスタジオのオーナーの一人、
キングズレーさんとのおしゃべりが1割、くらい。
スタジオでは7曲(リアムソロ5曲、オアシス曲2曲)をそれぞれフルに演奏していて、これは聴きごたえあります。
上手いんだもん。
上手かった。
アルバム収録でのスタジオ入りだから当たり前ですけれども。
ただ、全く楽しくなかったです。
リアムもいい感じで歌ってたし上手いバンドだし、演奏に難はなかったのですが、
D’You know what I mean?とSuper Sonicのオアシス2曲を聴いても一緒に歌う気にもならなかった。
『オアシス:ネブワース』の時には映画館で全曲全力で歌ったし(ミュートで)踊った(気持ちで)のに。
やっぱり、ノエルがいないとだめな気がしました。
いえごめんなさい、だめじゃないとしてもオアシスじゃない。
いやごめん、リアムソロだけど、オアシスの曲はノエルとリアムが一緒じゃないと良さが出ないと思いました。
「あいつはいい曲を書くけど、あの曲を一番上手く歌えるのは俺だ。だから全部俺のおかげだったってことだよな。
ノエル程度のギタリストは他にもいる」
耳コピ苦手のうろ覚えなのですが、内容はこの通りのことを映画の中で言ってました。
酷くないですか?
リアムが良いボーカリストなのは間違いない。
ノエルも「俺の曲を一番歌えるのはリアムだ」って言ってるし。
でもそれはノエルが、リアムが歌って映える曲を作ってるからではないのかな。
ノエルはピロピロ超絶系でもテクニカル系でもないけれど、それは彼がどこにでもいるギタリスト、
ということを意味するものではないでしょう。
今回リアムソロバンドのスタジオ演奏を聴いて分かったけど、ノエルのギターがないと、
オアシス独特のうねりというかグルーヴが出ないんだと思います。
それはノエルの魔法かもしれないし、ノエルとリアムが一緒にステージに立つことによって発生する
化学反応のようなものかもしれません。
とか言って怒ってたら(ちょっとムカついてしまいましたので)、あるギタリストが教えてくれました。
ミック・ジャガーがソロで来日した時のバックバンドは一流ミュージシャンで固められていて、
ギターはジョー・サトリアーニだったけど明らかに浮いてたし、全体の演奏もあまりよくなかったと。
また、キース・リチャーズは「上手いミュージシャンを集めてもいいバンドにはならないんだよ」
と言っていた、とも。
バンドの真髄をついている言葉ですよね。
「ノエル程度」発言の後、ちょっと間を置いて、「言っちまったな、オレ。てへ」な、
ちょっと忸怩たる表情になったリアムの表情がスクリーンに映し出されていました。
ここはこの映画で一番良かったところだと思います。
発言が終わった後の微妙に変化した表情をカメラが捉えていたこと、
それを編集でもカットしなかったこと、これがこの映画の救いです。
いや、パンフレットも酷かったしね(買ってないけど)。
先にパンフレットについて書きました↓
だからノエルとリアム、本当は仲直りしてないんじゃないかとまだ疑ってるわたくしです。
この土日、オアシス東京ドーム、盛り上がってたようですね。
ライブが成功してくれるのは嬉しい。
オアシスは現代の日本で、解散以降に生まれたような若い人たちにも愛されているんですね。
中学生バンドがコピーしてる動画も目にしました。びっくり。嬉しい。
オアシスが若い世代にも愛されるのは、イギリスのファンが言ってた「彼らは俺らのワーキング・クラス・ヒーロー」でもあり、
希望と前に進む力を(なんでか知らんけど)くれるからではないでしょうか。
くすんだ毎日でも前を向いて歩いて行く、ファ**ン言いながらでも何とか、一人でも友達と一緒でも、
まぁ進もうぜという気持ちに、ノエルとリアムからそんな気を受けとっているからかも。
東京ドーム、ノエルもリアムも行かれた方々も、皆さまお疲れさま。

