五月の二週目最初に観た映画、レッド・ロケット。
これは予告編を観た時に、観ようと決めていた作品。
むちゃくちゃ期待して鑑賞に挑んで、観ているうちに不安になって(このまま終わっちゃうの?)、
最後まで観終わって呆然として(なんなのこれ?!さっぱりわかんないわっ🤷♀️)、
なのに帰途で既にじわじわ思い出されて来て、
結果、今でも折にふれしみじみ思い出している、そんな作品でした。
どこかで演ってたら観てもらいたいし、なんだったら私ももう一度観たい。
そんなにどこが良かったんだ?と聞かれると返答にちょっと困る。
正直、良かったとこなんてあまり思い出せないし、良い人なんて全く出てこなかった。
いやほんと、主人公(この人が一番ダメっこに描かれてる、もちろん)を始めとして、
悪い人か変な人か犯罪やってる人、もしくはその全部に該当、みたいな人ばかり出てくる出てくる、のでした。
映画チラシにもどなたかの感想で「まいったな、まともな人が出て来ない」
とありましたが(大意)、そんな感じです。
しかし、現実の世界で、どれだけまともでちゃんとしただけの人がいるというのか?
自分含めて。
いや、自分が一番駄目かもしれない(多分そうだろう)。
無職無一文パラサイトの出戻り夫を非難しながら、一日中テレビを観ている元ポルノ女優の妻(夫は男優)。
気弱で元同級生の主人公にカモられてばかりで気の毒な隣人、でも彼は軍歴詐称で逮捕された過去があり、
なのに性懲りも無く今もそのすぐバレる詐称をやってる。
娘を片腕に、息子たちを用心棒に、違法な葉っぱ販売をファミリービジネスとして牛耳ってる近所のゴッドマザーおばちゃん。
清純かと思いきや、接近して来たおっさんがポルノ俳優と知りながら、むしろ積極的に深く付き合うドーナツ屋さんのバイト女子高生🍩
隣人たちもみんな変だ。
主人公マイキーは、自分さえ良ければそれでオッケー、人を踏みつけることも犠牲にすることも全然気にしない、
次から次へとそんな行動をとっていく。
ただ、人にウケる努力(いい気持ちにしてやってもっとカモろうとか、騙して利を得ようとか)をしながらやってるので、
暗くはない。とりあえず明るい。
心の広い人なら好きになってしまうかもしれない魅力は、ある。
駄目男がダメなままで、他の登場人物たちもほぼまともじゃない、そんな映画は初めてでした。
だけど人生そんなもんだよなー、世間てそんなものよね、その中でなんとか生きていくんだ。
って思う映画でした。
レッド・ロケットってタイトルだけど、するめのように旨味が滲み出て来ていまだに味わってます。
味わい深い出演者ばかりですが、プロ俳優ではない人が多いと言うのもすごい。
マリファナ元締めの娘さん(かっこいい)と、気弱なカモられ元同級生、このお二人が特に好きです。
さー、明日も明後日もぼちぼち頑張ろー👍って思わせてくれてありがとう、レッド・ロケット🎬
