ゴールデンウィークに観た映画、「ジュリア(s)」
オリバー・トレイナー監督、ルー・ドゥ・ラージュ主演。
正直に言って、監督も主演俳優も知らないな、と思ったし、チラシ写真にも特に惹かれるものがないまま観たのでしたが、すごく良かった。
観始める前は歩きながらも眠くて、寝ちゃったらどうしようかなと思いつつだったのでですが、映画が始まると、最初から惹きつけられて、眠気もどこかに消えて最後まで一睡もせず(それが普通の正しい鑑賞態度だ)。
主人公ジュリアの17歳からのほぼ一生が描かれているのですが、ほんの数秒、一瞬の偶然の作用や自分の選択で人生が変わって行く様が、非常に真実味を持って映し出されて行きます。
まず最初の岐路がベルリンの壁崩壊の時。
この時ジュリアは17歳。
テレビでニュースを観ていて感激して、友達と一緒に寮を抜け出してベルリンの壁に座りに行こうよ!と盛り上がります。
ここでまず、自分もこの時感動したなー、とか年の近い彼女に共感が。
歴史的事項を共有できる年になってるんだな、私、と映画とは関係ない感慨も。
このベルリン行きの時から、小さな事件・些細な行動の違い、が大きな人生航路の変更につながって行くのですが、その岐路の先でまたこの行動をするかしないかで路が枝分かれするように、様代わりした彼女の人生を、観客は見つめることになります。
こう行った先でこう、ああ行ったらこうだった、うわぁーΣ੧(❛□❛✿)みたいに、目まぐるしく何パターンも。
違う国、街に住むことになったり、別の男性を伴侶とするようになったり、
ピアニストとして世界的に活躍したり、音楽教師として生徒を教えたり。
どの人生でも、一生懸命に生き、悩み、愛し、喜び、悲しみ、もがく、それは共通していると思いました。
ラストは彼女の人生が結実した、素晴らしいものでした。
涙が出ちゃいました。悲しいシーンじゃないのに。
その時々で一生懸命生きる、例えそれがあの時、間違った選択だと一時悔やんだものであっても。
そうだね、そうだよね、間違ったことしたかも😨でもいいよね、頑張って生きていくよ😭
って勇気の後押しをしてもらえた気になりました。
この主演の女優さんは、「夜明けの祈り」で医師マチルドを演じてらっしゃった方でしたので、私、観てました。
この作品でも良かった。
作品自体も、戦争を扱う作品であまり見ない問題を扱っていて、心に残るものでした。
映画の中のジュリアのファッションも素敵でした👗👠💄
少女からマチュアな女性となり、さらに年齢を重ねていく各年代別に加えて、選択した人生で社会的立場も人生への態度も(ちょいやさぐれバージョンあり)違うので、
本当にもう、色んな髪型やお化粧・服装が丁寧に合わされていて、それを見るだけで彼女が今、どんな人生を生きているのかがわかるようになっていました。
世界で活躍するクラシックピアニストとしての、きちんとまとめ髪に落ち着いた赤のリップ、黒いシックなドレス。
家を飛び出して行った先のベルリンでの、プラチナブロンドに脱色したボブヘアに、ブラ紐が見えるボーダー柄タンクトップ姿。
高校の音楽の先生としての・・・
キリがないけど、どのファッションも着こなして、どの人生も演じ切っていたルー・ドゥ・ラージュさん、すごいなと思いました。
着ることも生きることですね、やはり。
あぁ☺️観て良かった!
良い映画をありがとう!