美しい、と私は思った。
体育館で、ピカピカの制服に身を包んだ新入生が、背筋をピシっとして、パイプ椅子に腰掛けている。
どのクラスもぴったり40人。
決められた数の椅子に座ることができた、新入生達。
等間隔に座り、微動だにしない新入生を、後ろの保護者席から見て、美しい、と思ったのだ。
保護者席も新入生1人につき、一名までと決まっている。
こちらも出席番号が貼られた椅子が、等間隔に並んでいる。
どの保護者もそうだが、自分の子供が見えづらい。子供と同じ、縦のラインに座っているからだ。
体育館での式典後は、生徒はクラスに移動する。
コロナ禍だから、保護者は教室へは入れない。
保護者は、昇降口前の広場で待つことになる。
学校や塾単位と思われる、立ち話グループがいくつもできた。
私は、たまたま長男と同じクラスという、男の子がいるママさんと立ち話をした。
しばらく経ってから、クラス毎に時間差で生徒達が出てきた。
どの子も顔が輝いている。
六年間、素晴らしい学校生活が、送れますように。