ホスピスでは驚くことがたくさんありましたが、先生の診察にも驚かされました。
まず、先生方が診察時に折りたたみ式の小さな椅子を持参することに驚きました。
父の主治医は若い女医さんでしたが、他の先生も椅子を持ってみえて、父のベッド脇に座りじっくりと父と話始めるのです。
父の脈を取りながら 本人に体のことをいろいろと訊ね、世間話もしていました。
3、40分 た~ぷりと話をするのです。
入院初日は最初だから こんなに長く話しをするのだろうと思いましたが、父が話しを出来る間はずっと こんな感じで話をしていたので、他の患者さんともこういう風に話しをしながらの診察だと思います。
そして、もっと 驚いたのは 父が話せない状態になった時も先生はベッドの脇に座り、話が出来ていた頃と同じくらい長い時間 父の顔をじっと見つめ父の状態を観察していたことでした。
その上、私や母ともたくさん話をしてくれるのです。
こちらが こんなに長く話してていいのかな? 他の患者さんの診察もあるだろうに・・・ と 気が気じゃなくなってしまうくらいでした。
看護師さんもそうです。
今までの病院はいつも忙しそうな看護師さんもここではたっぷり時間をかけてケアしてくれ、父のおしゃべりの相手もしてくれ、父は娘の私のことは忘れても看護師さんのことは忘れなかったようですよ(笑)。