マイケル・サンデル著


メリトクラシー(能力主義)vsアリストクラシー(貴族社会) について。

現代社会は、出自や属性で評価が決まるアリストクラシーではなく、能力や努力によって出世できるメリトクラシーを是としてきたが、そのダークサイドについての本。いかにしてメリトクラシーが支配的になりその弊害をもつに至ったかが述べられている。トランプの当選はメリトクラシーの反動であり、抑圧されたものの我慢が噴出したのだと。

メリトクラシーでは、学ぶこと、努力することが絶対的に善とされているが、そもそも努力できる気質自体、自らの手柄ではなく恵まれた環境にあるのではないかと、能力主義のおごりに一石を投じる本だった。