パート帰りのバス

すいてた

 

一番後ろにすわった

めちゃエアコンが効いてる♪

肉体労働者にはありがたい

 

運転席の真後ろに座っていた白いカッターシャツのおっさんが立ち上がって

車内を見渡したり、運転手になにかいってるようすだった

指導者かな?

 

バスが動き出すと、おっさんはまた真後ろの席に座った

 

いつもの車内放送が終わってから

そのおっさんは運転手に何か話しかけた

やっぱり指導者かな?

それにしては態度が横柄だ

 

と、そのとき!運転手が車内放送

 

「携帯での会話は他のお客様のご迷惑になりますので、おやめ下さい。マナーを守って下さい」

 

え?誰かしゃべってるか?

若い男の子が2人、行き先か何かを小さい声で話し合ってはいたけど・・?

携帯片手にしてるヤツなんかいないぞ?

車内は実に静かだぞ??

 

「え?俺たちのこと?」

という風に、2人は声も立てず目配せしてる

 

私も不思議に思ってキョロキョロ

 

でも・・誰も該当しない

みんなひっそり座ってるだけだ

車内は嫌ぁ~な空気で充満した

それはそれは嫌ぁ~な空気

 

 

すると・・すぐにまた、おっさんは少し立ち上げって運転手に何かしゃべった

 

「携帯の使用はおやめ下さい!迷惑に思われている方がいますので、すぐにおやめ下さい!!」

運転手は、かなり強く言った

 

「誰もいませんよ」

と、条件反射のように声が出てしまった私・・

 

「そこの眼鏡っ!!」

そのおっさんは立ち上がって振り向きざま、でっかいでかい声で叫び、こっちを指さした

 

私の斜め前の座席で寝ていた眼鏡のお姉さん、起きてキョロキョロし、私を睨む

 

は???

はぁぁぁ?????

 

一斉に視線が・・・

 

そのおっさんは次のバス停で下りた

下りざまに運転手に笑顔で何か話していた

鉄アレイを持っていたら窓を開けて投げつけてやったのに!!

 

運転手も運転手だっ!!

 

画:ちよ画伯提供