氷月と共に掻き集めて
桜が咲く頃に散り雪、
行く宛のない成長だけの
植物の葦に躓き倒れ
顔を上げたら雨露と消え、
南から来る風を
金色の眼をした猫が横切り、
足跡は真っ黒い夜の海が
呑み込んで消して行くところ
海岸線では夜光虫が
消えてしまう記憶を
掻き集めて涙する
忘れる為に撒いた種は
沢山芽吹いてくれたのに
手入れもされない庭では
枯れ落ちて1つの季節と待たない
それでも蒔くことをやめない
探すのに飽きた頃
背の高い草の陰から老婆が
咲く事の無い花を一輪
右側の彼女の髪に結わえた
幸せな貴方を怨むつもりもなく
ただ側で見ていたかっただけ
、、、、
絡まりすぎた背中の糸を引き抜けたなら、
抜け落ちた過去も取り戻せる気がしたのに、
冷た色の言葉が動脈に刺さり、
こぼれ落ちる音は赤、
瞬きをするたび黒、
眩暈が来て白、
後悔の色は眼の中で揺れてた