母がいきなり旅立ってしまって
まさにバタバタと
葬儀の準備を進める中でも
私も妹も弟も
思いの外冷静でいられた
妹がしみじみ言う…
「母さんが認知症になってさぁ
施設に居た期間があったからこそ
わたしたちも今、冷静でいられるよね」
私もそう思う
認知症の症状が
だんだん重度になるにつれて
母は家族のことも認識できなくなって
私たちの知ってる母じゃなくなった
施設に居る母は
私にとって『居るけど居ない』感覚?
いつも電話で話してた母は
いつのまにか
名目だけの母になり
もう愚痴を聞いてもらうことも
孫の成長を喜んでもらうことも
できなくなってた
『居るけど居ない』みたいな
インターバルがあってからの
正真正銘『居ない』母になったから
火葬場で泣けた以外には
私もずっと冷静でいられたのかな
母の葬儀を済ませた日に
西の空に天使のハシゴが見えた
※「天使のハシゴ」とは、雲のすき間から太陽の光が地上へと差し込む現象で、正式には「薄明光線(はくめいこうせん)」と呼ばれます。その光の筋が、まるで天界から地上へとかかるはしごのように見えることから、この名前で親しまれています。光が差し込む様子が神秘的で、「天使が降りてくる道」や「天に昇る魂を照らす光」として語られることもあります。
母はあのハシゴに乗って
空へ渡ったのかも?