だいたい週に一回くらいのペースで

【ご機嫌伺い電話】してくるおじいちゃん


スマホが鳴って

画面に[父]と表示されてたら

すぐには応答する気になれない。

大きく深呼吸してから…



「もしもし…何かあった?」


『用事が無いならかけて来ないで』

みたいなニュアンスが伝わるように

わざと緊急事態を疑う聞き方をする口笛



(リアリティ感を出したいので

父のセリフは方言のままでお送りします)


「いやあ、しばらく電話してなかったもんでさぁ。

みんな元気でいたかや?

旦那君も子どもたちも」



あくまでも旦那や子どもたちを心配して

電話したテイを装う父ニヤリ



いいんですよ別に。

用もないのに電話してもね。

ちゃんと話が通じるなら!


とにかくね〜

果てしなく耳が遠いんですよおじいちゃん


私が普通の声量でしゃべっても

「はあ?…ふーん〜」

聞き返すか聞こえたフリして

テキトーな返事するかえー

私が声量を3倍くらいにしないと会話が成立しないチーン


山の中にある施設からだからか?

電波も良くなくてたまに途切れる…



そして父が必ず話題にするのが

【母の面会】に行かない言い訳ムカムカ



「いっくら施設が近くなったってさ、

窓越しの面会じゃあ、何言ってるか聞こえねえもんでさあ。

行ったってしょうがないだわ」



『何言ってるか聞こえない』のは

父の耳が遠いからであって

窓越し面会のせいじゃないんだけどね!

ちゃんとマイク用意してくれてるし。


『遠くて行けない』って言うから

実家から近い特養ホームに母を転所させたというのに

父が面会したのはまだ一度だけ。

しかもひとりでは行けなくて

優しいC子叔母さんを巻き込んでねえー



声量3倍で疲れた私は

「あ!固定電話に誰かから電話だわ」

と、架空の電話を作って父との電話は

ぶち切りハッ


どうせ用事もないことだし

まぁ充分でしょう。

鬼娘節分の私。



いくらボランティアでも

体力消耗に限度があるんですワニヤリ


(マトモな頃の)母となら

何時間でもしゃべってたけどね。