タンスの中にいつも入ってる一着の長袖カットソー。
色もデザインも全く好みじゃない服。
3年前の9月、入院した病院で、せん妄なのか、認知症なのか微妙な状態になった母。
退院後は、そのまま施設に入所させた方が良いと病院から言われたものの、もしかしてせん妄なら、自宅に帰れば落ち着くのでは?
淡い期待をして、私がしばらく実家に泊まり込んで様子を見ることになりました。
1週間経っても、あまり状態は変わらず。
あと1週間…ズルズル滞在を延ばして居る間に季節が変わり、持参した夏服では寒くなってしまったのです。
母を置いて遠出もできず、近所の田舎の洋服屋で秋物の服をとりあえず買いました。
選ぶほどの種類も無くて、サイズの合う妥協して買った服。
今では着る機会もありませんが、ツラかった夏の記憶として、タンスに眠らせてます。
今では施設に馴染んで落ち着いている母ですが、この服を見るたびに、葛藤だらけのあの頃を思い出します。
あの半月があったからこそ、今にたどり着くことができた。と思えば、あの半月も無駄ではなかったと思ってますけどね。