アウトレイジ | DAIのブログ

アウトレイジ

今までどうも北野作品と自分の相性が悪いような気がして、それほど観てなかったのだけど、今回は思い切って『アウトレイジ』を観て来ました。やはり自分とは相性が悪いようです(笑)。まず「全員悪人」というキャッチフレーズがあるけど、自分にはどこに悪人がいるのかが、分からなかった。北野監督自身、今の政治家とこの映画の登場人物はあまり変わらないと語っていたが、その点はその通りだと思う。だけど悪人ではないでしょう。もしかしたら「悪人」という定義が違うのかもしれないが。『アウトレイジ』に出て来る人たちは、その世界(ヤクザ)でしか生きられない事を知っていてその世界のヒエラルキーの中で必死に生きようとしてるだけ。みんな可愛いほど、上からの命令には忠実だ。そのために法律を犯す人が単純に「悪人」と表現される事になれば、今の不況で自分だけは何とか生き残りたいと必死に頑張り、その中で法を犯してしまう人たちも同じという事になるだろう。政治家も似たような構図だ。ただ政治家は、国益のために働かなくてはいけないのに、自己保身のための権力闘争をしている点では『アウトレイジ』の登場人物よりも悪人のような気がしてならない。ストーリーも、かなり単調で予想がついてしまう。豪華な役者陣も使いこなせていない。おそらく北野監督の遠慮があるのだろう。やはり自分の手下(軍団たち)を容赦なく使いこなす方が北野作品としては、いい仕上がりになるのでは。自分としては、ちょっと寂しい作品でした。