カイジ 人生逆転ゲーム | DAIのブログ

カイジ 人生逆転ゲーム

悪くはないとは思います。
ただ、こういう世界観を描くプロデューサー、製作委員会
監督、脚本家、の姿勢にちょっと疑問が。

というのも、この映画には「格差社会」への批判や、
そこから抜け出そうとしない「甘えた」人間への批判が、
前半には織り込まれているが、
後半になると、全く無くなってしまう。
放っておきっぱなし。

人の命をおもちゃのように扱い
ゲームで失なわれていく姿が描かれるなら、
最初から、こんな中途半端な社会観など入れず
ゲーム性を全面に出した完全エンターテイメント作品に
すればよかったのではないか。
なんとも後味の悪い仕上がりになっている。

日テレ+藤原竜也+松山ケンイチというと
『デス・ノート』を思い浮かべるが、
こちらの作品でも、
命を正義のためと言いながら
もてあそんでしまう姿が描かれる。
しかし最終的には、
もてあそんだ本人にその責任は返ってくので
落ち着きどころが出来る。

ではこの作品ではどうなのか?
人の命を快楽のために
おもちゃとして扱った人たちは?
これもなんの解決もされていない、野放し状態。

製作者&クリエイティブに関して
映画を作る姿勢として、大いに疑問が残る作品。
エンターテイメントに徹すれば、
もっと面白い作品になったはずだ。