アマルフィ 女神の報酬 | DAIのブログ

アマルフィ 女神の報酬

このところテレビ局が中心となって製作された作品のクオリティーが低いので、怖いもの観たさで行ってきました。フジテレビ開局50周年記念作品という事なので、少しは頑張ってたか。

前半はいいテンポで進んでいき、後半に期待をさせたのだけど、最後はどんどん失速。テレビ局が中心になると、どうしてこうなってしまうのかが不思議。点数にすると前半が85点、後半が30点という感じ。何が不満かと言うと、やはり脚本の詰めが甘い。この点が日本のエンタメ作品の決定的な弱さ。

「脚本家名ない」作家協会が抗議 映画「アマルフィ」

こんな報道を見ると、西谷監督も原作の真保さんも、出来の甘さにクレジットを辞退したのではと勘ぐってしまう。いろいろと突っ込みどころがある脚本だけど、ある程度は許せる。しかし決定的なのが、犯罪者の犯罪計画が前半と後半でレベルがまるで違うのだ。前半は用意周到だった実行犯が後半になると偶然に頼ってしまう。あり得ない。このような犯罪を行なう時は極めて論理的に、そしてリスクを考え計画するはずだ。この作品は、そこのハードルが超えられなかったために、実にもったいない作品になってしまっている。ちょっと内容は違うが『バンテージ・ポイント』などが参考になるのではないか。あのような大胆な犯行を行なう連中は、計画を成功させるために偶然などに決して頼らない。偶然があっていのは、証拠を見つける犯人を追いかける側だ。

とはいうものの、そこそこ楽しめる作品。イタリアの風景や出演者が好きな人は、脚本のアラは気にならないはず。