レスラー | DAIのブログ

レスラー

世界で54もの賞を受賞した話題作だが、
予告篇を見たとき「どれほどのものなのだろう?」と感じていた。

80年代に一世風靡したプロレスラー、ランディ“ザ・ラム”ロビンソン。
だが今は、スーパーで働きながら生活費を稼ぎ、
トレーラーハウスで暮らす毎日を送っている。
この役をミッキー・ロークが演じている。

予告篇を見る限り、日本人が好むようなハートウォームな作品に感じた。
もちろん、それこそが宣伝のポイントだったんだろう。
しかし実際は、いい意味で予想を裏切られた。

ランディーは、一世を風靡したにては
プロレス仲間やプロモーターたちにも好かれ、
平日はスーパーでバイトしてるものの、
週末はプロレスで稼いでいる。

家賃は滞りがちだが、トレーニング、ホルモン接種、
髪を染めたり、日焼けサロンに通ったり、
プロレスラーとして必要な事には、万全を期す。
それなのに、心臓発作を起こし
医者からはプロレスを禁止される。
そこからのランディーの生き様が、この映画の見所。

監督がこの役をミッキー・ロークにやらせたかったのは
とっても良く理解出来る。
彼の他に、この役を上手に演じられる役者はいなかったろう。
それは彼に人生と、このランディーの人生が
シンクロしているからだ。

人は生きている中で、
”自分の居場所”を見つけられた人は幸せなのだろう。
”自分の居場所”は幸せな場所でもあり、死に場所でもある。
人は皆、その場所を探し続けて、
それぞれの旅を続けているのかもしれない。

そんな事を考えさせられる、いい作品でした。