スラムドッグ$ミリオネア | DAIのブログ

スラムドッグ$ミリオネア

今年のアカデミー賞受賞作品
構成が面白く、なかなか楽しめました。

スラム出身のジャマールは、
インドの大人気番組「クイズ$ミリオネア」で、
次々と問題を解いていくが、
不正があったと疑われ、逮捕されてしまう。

そこで、なぜその問題の答を知っていたか、
取り調べとともに、彼の過去が明らかになっていく。

イスラム教徒だったために、
殺されてしまう母、
住む家すら無くしてしまうジャマールたち。

インド建国の父、マハトマ・ガンジーは
ヒンドゥー教徒、イスラム教徒ともに
仲良く暮らせるインドを目指していたが、
両宗派の争いは治まらず、
結局、インドとパキスタンに
分裂して独立する事となった。
そのことが、今も影響しているのだ。

途中、ジャマールが「ガンジーを知ってるか?」と聞かれ、
「名前だけは聞いた事がある」と答える。
それほどインド国内のスラム街での生活が
厳しい事が想像出来る。
(ガンジーは貧困層に絶大な支持を得ていた)

絶望的に貧しいスラム生活の中でも、
頑固なまでに誠実に生きようとするジャマール、
手段は選ばず、今の生活から抜け出そうとする、
ジャマールの兄のサリーム。
自分には兄=アメリカ、ジャマール=インドを
重ね合わせて描いているのでは、と感じた。

これまで苦労してきたインドの時代が来ると。

そして人生は、最終的には帳尻があって、
「0」になるという事を語っていた。

もちろん、一人の少女を探し続けた主人公の純愛物語
という側面もある。

ここまで思われる女性は幸せなのか?
自分が女性でないのでわからないが、男は万国共通で
このようなロマンティックさを持ち合わせているのだろう。
「男」と「女」という記号が結びつくのではなく、
代わりのきかない「誰か」を見つけられる事は、
幸せなことだという事をつくづく感じる。

気持ちのいい作品でした。