努力した10kg

そう、あれはちょうど1年前の8月。

ろくでなしのアイツと別れたころからだ。

アイツはいつもアタシに痩せろとうるさく言った。

そして、なかなか痩せないアタシをそのままに

アイツは他の女に手を出した。

それから努力が始まった。

アイツとは別れたけれど、見返してやらなきゃ気がすまない

どこかでばったり会うかもしれない

そのとき後悔させてやるために

努力した10kg

逃がした魚は大きかったのよ

後で後悔するといいのよ

努力した10kg

いまさら遅いわ空きがないの

アイツみたいに二つもなんて考えない


 誰も傷つけたくないの。

 けれど傷つけてしまうの。

 そんなにわたしを怖がらないで。

 わたしは風なの。

 通り過ぎてゆくの。

 そんなにわたしを怖がらないで。

 すぐに通り過ぎていなくなってしまうから。

 消えてしまうから。

 

そんなに切り貼りして 送って・・・・・

どのくらい返ってくるの?

どうせその次には アタシ以外の誰かに送るんでしょう?

 同じ文字を。

 もらっても嬉しさがない言葉。

 笑っていいかしら?

 切れば切るほどあなたの言葉も分割されて

 貼り付ければ貼り付けるほど濃度が薄い言葉が繁殖していく。



 気持ち悪いわね。







歌舞伎バリのメイクして  走り抜けるは  商店街

横目でオッサンはやしたて  泣いてる子供をひっぱたく

花屋のババアに水かけて  豆腐を一丁鷲掴み

地蔵の頭にのっけたら  花瓶の水撒き  一騒ぎ

警察見つけて走りだしゃ  おいらの地元が隠れ蓑

風呂屋のおやじが風邪ひけば  あしたは吉日大繁盛

 「よぉ」

 「どぉも」

 気の利かない返事。

 アタシは緊張しすぎてわけがわからなかった。

 どうやって中に入ったのか覚えていないほど、緊張していたままで、学食についた。

 

 片本は、時計を見た。

 あまりに大げさな袖の上げかたに、思わずアタシは笑った。

 約束してたうどんをおごってもらって席に着いた。

 しばらく無言で食べていた。

 こんなにうどんが食べにくいと思ったのは初めてだった。

 すするのがなんだか恥ずかしくて。

 顔も上げることができなかった。

 

 食べ終わって少しおしゃべり。

 片本も緊張していたのがはじめてわかった。

 何度も何度も。上着のボタンをあけては閉めていたから。

 不意に、天井から片本を呼ぶ声があった。

 柱の影から人が見えた。

 「お前なにやってんだよ」

 「しー。今鬼ごっこしてんだよ」

 「やべ!みつかった!」

 その人は、走ってどこかへいってしまった。

 それがきっかけで、校舎を案内してもらうことになった。

 いつも片本が使う教室や、講堂を案内してもらった。

 そして、一番大きな講堂。

 扉を開けるとそこは真っ暗で。

 「いいから。入って」

 片本の言葉に釣られて中に入る。

 大きな講堂に徐々に光がついていく。

 アタシのためだけに誰もいない講堂に明かりをつけて見せてくれたことが嬉しすぎて。

 言葉がでなかった。

 でも、これが案内の最後。

 帰らなくてはいけなかった。

 もっと一緒にいたいと、心から思った。

 すると、アタシの気持ちをわかっていたかのように。

 片本が微笑んで

 「夜景きれいなところあるけど、いく?」

 誘ってくれた。

 

 

 

 

 その鳥は外を見つめる


 主の姿を求め見つめる


 そして、鳴く。


 か細い声で鳴く。



 主を呼ぶように鳴く。



 泣く様に鳴く。


 扉の開いた鳥籠。

 名も無い鳥はそこにいた。

 

 昔は名前があった。

 今はその名前を思い出すこともできない。


 籠は開け放たれたまま。

 けれども名も無い鳥はそこから離れない。

 

 主が帰るのをずっとずっと名前を忘れた今でも待ち続けている。

 嗚呼嫌だ。

 

 此れだから嫌だったんだ。

 

 咲かない花も在るけれど

 咲いてしまった花も在る。

 咲かせないようにしていたのに

 努力の甲斐なく咲いてしまった。

 花には水を。

 嗚呼あたしはいつも注ぎすぎる

 そして腐ってしまう。

 あたしは何回腐らせてしまっただろう。

 

 でも、注がずには居られない。

 そしてまた花を腐らせる。

 咲いてしまった恋心。

 これもまた然り。


 


 

 走って転んで

 

 この気持ちは何だろう?

 

 走って転んで

 

 今度は前の奴の服をつかんで。

 

 そいつも転んだ。

 

 走って転んで。

 

 起き上がらないでゴロゴロしてみる。

 

 空が青いのが気になる。

 

 初めて胸が痛いと思った。

 

 走って転んで。

 

 医者に行ってみようと思った。

 

 処方箋は心でした。

 

 走って転んで

 

 見つけたのは今まで気づかなかった小さな花でした。





 人を蹴散らして生きてやる!!

 

 この世界にのさばるのさ

 憎いアイツの背中にキック食らわす前に

 その勢いで飛び越えてやるのさ!!

 そしたらアイツの姿なんて見なくて済むのさ

 俺の背中だけ追ってきな

 アイツが行けなかった道も俺がいってやるよ

 指くわえてみてやがれ