こんにちは。

 

朝日新聞のトップに『大学入試の「女子枠」、国立の4割導入へ』の記事がありました。

 

 

 

何となく、理解していましたが、ツイッターを見る限り誤解している人が多いと思いました。

 

もう少し具体的な記事が以下

 

 

↓PDFだけど細かく書いている。

 

https://eic.obunsha.co.jp/file/exam_info/2023/1201.pdf

 

誤解その1:

これを見る限り、一般受験での女子枠はない。学校推薦か総合型選抜か。しかも少ない。共テの有無はあれど、推薦なので1人1校の志望になる。定員割れでも一般で補充すればいい。女子枠のために男子が割を食うことは少ないと思う。今回の措置が女子比率向上につながるとは思えない。

 

誤解その2:

4割の国立大学が女子枠を設けるが、それぞれ全学部ではなく工学部など、女子比率が少ない学部に限っている様子。だいたい文系や教育学部は十分女子比率が高いので、そこまでする必要はない。

 

 

理学部等では女子割合が30%くらいあれば適正ではないかと個人的には思う。男女により文系理系に分かれる割合、女子理系の看護系に偏った進路志望、女子短大の割合を考えると、50%になるのは無理がある。ちなみに大学進学率は今は男女とも同じくらいのようだ。

 

 

私が個人的に考える、女子が理系学部に進学しにくい理由はいくつかある。

 

①自分の子が(看護以外の)理系になることに、親世代が抵抗感がある。「女のくせに理系なんて」みたいな感じで。娘の高校でも看護志望の生物・化学選択が多く、物理はほとんどいない。それが適性だけによるとは思えない。

 

②地方国公立大へ下宿による進学を何としてでも阻止する親がいる。これは塾や予備校でも聞く。「娘さんは大学進学で下宿もアリということですか?」と聞かれる。もちろん、女子だからという文脈で。それは塾の先生の偏見ではなく、他の大勢の親が「娘は下宿しない大学を選ばせる」ということらしい。もちろん防犯に不安、という考えはある。では、就職の一人暮らしはいいのか?と思ってしまう。

 

③工学部に男子のイメージが強い。工学部が機械ばかり男ばかりの進学先しかない、と思っている人が多い気がする。これは親世代も子世代も言える。今はSEはもちろん、CADを使う設計屋さん女子もいるし、建設不動産にも女子が少しずつ増えているという。力仕事でなければ女子で十分。自分も振り返って見れば、車の運転や軽い荷物運びはあるが、女子ではダメという業務内容はなかったと思う。夜勤だって、看護師はするでしょ。

 

④①と関係するが、理系科目を勉強する上で同じ理系の女子が少ないのは教え合うことや、悩み相談などにおいて、辛い思いをするのは確か。だから娘には「女子中高生夏の学校」に参加させた。そこで数学の道を見つけた。やはり一緒に困難を乗り越える仲間は重要。そして娘のように、男子と話しにくい人もいる。物理や数Ⅲは確かに難しいので、一人で乗り越えるのは大変。先生や予備校講師も利用するが、愚痴を言い合う相手がいないのは辛い。

 

国として女子理系をバックアップしているのは分かる。

 

だけど、こういう雰囲気なのだから、子供に任せておくと女子の多くは文系に流れる。

 

女子の文理選択においては、親から

 

「理系も面白いよ」

「あなたが理系を選んでも応援するよ」

「行きたい大学が通えない場所だったとしても、一緒に考えようね」

 

と背中を押してあげるくらいがちょうどいいと思う。