おはようございます。
 
遅くなりましたが、2月に紹介した(アメ限外しました)
のきょうだい本である「21世紀の「女の子」の親たちへ」を読みました。

 

 

私にとって、いくつか衝撃的な気づきがあったので紹介します。
 
①「(全国の女子高生を集めて議論する)女子高生サミット」を開催する前準備のテレビ会議で、地方の女子高生は「招くのは男子中高生に限りたい」と主張したのだが、東京の女子高生は「なんで?」と思った。これは、地方で大人の男性が入ることで、彼女たちの意見を頭ごなしに否定して議論が深まらないから、ということだった。
 
これは私も以前感じたことがあるし、紹介したこともある。
家事を行うのは母か娘、父と息子は家事をしない。なんだろう。
 
②男子と女子を分けて教育した方が、双方とも成績が上がる。女子は1つ1つを完璧にしないと先に進もうとしないが、男子は7割くらいできたら先に進む。今の共学の教育方針は男子に偏っているため、女子にとってはハンデが大きい。イスラム圏で女子の理数力が高いわけは、男女別に教育をしているから。
 
③2018年PISA調査において、トータルで見れば女子の方が勉強できるというのは世界共通のこと。日本では、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーのうち、読解力で21ポイント女子が高く、数学は10ポイント男子が高く、科学は3ポイント男子が高い。合計では女子が高い。数学・科学は男子にゲタをはかせている教育方針であることも説明されていた。

 

 

大学に行けば、理系の女子は本当に少なくなる。文系か教育学部か。女子に寄り添った学習環境でないことが問題であるのと同時に、「女子は理系科目はできない」「女子は理系就職先がない」と言った偏見によって減っているんじゃないか。

 
また年配の方にとっては「結婚こそが女の幸せ」と思っている人も多いだろう。そして子育てにおいては、まだまだ「母親」が主体になる時代。理系大学入試「英語」「数学」「理科」において、数学で多少遅れを取っても、読解力の英語、ほぼ差のない理科で挽回すれば、女子の方が高得点が取れるのは明らか。
 
④男子に比べて、女子の方がリスクを取らない。女性は出産や育児があるので、仕事にのめり込んで無理することができない。よって男性はチャレンジできるが、女性は計画が完璧じゃないと進まない。でも文化祭など、誰がリーダーシップを取っている訳でもないのに、女子だけで作らせると何となく最後には形にできてしまう。完璧にするための意識は女子の方が強い。
 
⑤男性だけの社会で閉塞している日本にとって、女性が活躍する企業が他を駆逐する。育休の期間を延ばすのではなく、育児しながら働きやすさを追求することが女性の活躍を推進し、女性の成功モデルが出来上がって他社も真似するようになる。(カエル男とタガメ女で書いたが、積極財政が問題だったとしても、一部はこういう問題もあると思う)
 
⑥「結局のところ、実は親は無力なんです」「”生徒本人すら気づかない小さなやる気の種を発芽させた時に見逃さず、光を当て、目が育つのを温かく見守ること”が親の役目、教育の神髄じゃないかと思う。」
 
最終的に男女関係ない話になった。娘と息子への接し方で思い出したことがあります。
 
小学校3年生の息子の自己紹介を一緒に考えていた時、娘から「私はお母さんに一緒に考えてもらったことないよ!」と言って泣いたことを以前ここに書いたと思います。ハッとしたのですが、確かに娘の低学年の頃は元妻に任せて、私は遠距離通勤だったためメールでやり取りするくらいで本当に何もできませんでした。いつも構ってもらえる、寄り添ってもらえる息子が羨ましかったのでしょう。
 
ですが、今まで書いた通り、娘が中3の受験期になって、あれもこれも一緒に悩んで、寄り添って考えました(息子も、私立学校展に行っているのを羨ましいと言っていました)。そして合格・卒業と同時に娘からあの手紙をもらった。
 
娘は小さい頃受けられなかった寄り添いを中3になって初めて受けて、私を親として認め、自分を認めることができたのかもしれません。今、弁当作りや予習復習や部活の調整を1人でやっていて本当に心配ですが、まだ助けを求められていないのでほおっておきます(笑)。時期はどうあれ、親から寄り添ってもらった経験は必要だし、それがあるからこそ外に目が向いてチャレンジできるようになるのでしょう。そして、意外と親が言ったことは聞いてないように見えて聞いている(笑)
 
↑英語のせいで、今回の入学テストは3科目で校内平均以下だった。が、数学はかなり上位、英語さえクリアすれば大丈夫と感じたテストだった。今、ものすごく英語の予習復習を頑張っているから大丈夫と感じる。が、娘本人はかなり落ち込んでいた。
 
娘がこれから社会に出てぶつかる壁はあるでしょう。
今までもこれからも女性が戦っていく中の1人に娘がいる。
そのための港になり、休憩所になり、帰れる場所であり続けようと思う。
 
そして、これは正常な世の中であってこそ。
今の壊れて行く日本では有権者である大人が戦わなければ、
その環境さえなくなってしまう。
その戦いが今年の参議院選挙だと感じる。
 
 
以下、購入サイトからの商品説明です。
-----------------------------
11の女子校のベテラン先生たちの言葉から、21世紀のど真ん中を生きる女の子の親として心得ておくべきポイントを紹介する。キャリア、性、学校や親の役割といった視点で、競争より共栄ができる人に育てるコツを説く。女子がありのままでいられれば、社会は変わる!非認知能力、人権問題、東大女子、ガラスの天井……混迷する時代に、「ひととは違ったモノサシ」をもち、「競争より共栄」ができるひとに育てるには?女子校(桜蔭、鷗友、吉祥女子、神戸女学院、四天王寺、品川女子、女子学院、洗足学園、豊島岡、ノートルダム清心、雙葉)のベテラン先生たちが「これだけは間違いない」ということを根拠に21世紀のど真ん中を生きる「女の子」の親として心得ておくべきポイントをまとめました。

・女子と男子では出世の法則が違う!?
・イスラム圏で女子の理数力が高いわけ
・新しい性教育を通じて縛りから解放される
・偏差値最強カップルが陥るジレンマ
・母親の“わかったつもり”が危ない……etc.
----------------------------------------------------------
第1章 21世紀の女性の「成功モデル」とは?
第2章 自分を守るための性教育と平和教育
第3章 大学受験や就職よりも大事なこと<
第4章 目指すのは「すごい親」より「いい親」
----------------------------------------------------------
発売と同時にたくさんの共感と反響をいただきました『21世紀の「男の子」の親たちへ』のきょうだい版ができました。今回は女子校のベテラン先生たちにお話を聞きました。先生方の珠玉の言葉を引用しながら、教育ジャーナリストのおおたとしまささんが、これだけは伝えたいという思いをこめてまとめました。先が見えない今だからこそ、子育てについて教育について、何が本当に大切なのかを考えたい。そんな思いを込めました。

第1章のテーマは「キャリア」、第2章は「性」、第3章は「学校の役割」、第4章は「親の役割」です。『21世紀の「男の子」の親たちへ』とは章構成のコンセプトからして違いますが、問題意識は同じです。視点が違うだけです。後半に行けば行くほど性別を限った話ではなくなることも、両書に共通しています。(はじめにより)【商品解説】