ジンバブエのハイパーインフレについて整理してみたいと思います。
ジンバブエはアフリカ大陸の南部に位置し、正式な名称は、ジンバブエ共和国。GNI(国民総所得)は2019年で、204億米ドル(約2兆2,000億円)です。おもなにタバコや鉱石を輸出してます。
ジンバブエは1980年に、ジンバブエ共和国として英国から独立。このときムガベ首相が就任し、1987年からはムガベ大統領となります。2017年に事実上のクーデターが起こるまで大統領の座についていました。
ジンバブエがハイパーインフレになった原因は単に、長年のムガベ政権の稚拙な経済政策にあったと言えます。
あまりに稚拙すぎますが、この縮小版も当然するべきではありません。
英国から独立後、ムガベ大統領は、旧支配層に対する弾圧的な政策を実施し、2000年には、白人が所有する土地を強制収用する法律を制定しました。それ以前のジンバブエは、「白人が地主と黒人が農業労働者」という構図でした。
ムガベ政権は、黒人たちが白人の地主から農地を「奪う」ことを合法化しました。
多くの白人の地主たちは国外に逃げ、黒人は土地だけ奪ったものの農業についてのノウハウもなく、農業生産性は大きく低下し、食料不足となりました。
2007年に、全ての外資系企業に株式の51%をジンバブエの黒人に譲渡することを義務付ける法律を制定し、外資系の銀行や企業に対し、1年以内に実施するよう通告しました。
まともなビジネスが出来なくなり外資系企業は一斉にジンバブエから撤退し、ジンバブエの物資不足はさらに深刻化しました。
こうした政策により、農業や商業は黒人が管理することになりましたが、壊滅状態、当然輸出の勢いは落ち込み、財政は赤字になりましたが、政府は中央銀行に紙幣を印刷することを命じ自国通貨「ジンバブエドル」を大量発行してしまいました。
2007年6月に価格統制令を発令し、ほぼ全ての製品・サービスの価格を半額にするよう強制しました。利益の出ないため従わない会社もありましたが、政府は逮捕という措置にでたため、小売店は一斉に商品を引き上げ棚から商品がなくなってしましました。
商品を倉庫に保管しましたが、これも違法として逮捕しました。企業倒産が続出し、ハイパーインフレへと加速しました。
ジンバブエにおけるインフレ率を、公式発表で見ていくと。2000年が56%、2003年は385%、2006年に1,281%、2008年は355,000%と発表されています。2009年1月には100兆ジンバブエドル紙幣が発行されるまで加速しました。
国内供給力は壊滅しているのに、紙幣(ジンバブエドル)を大量発行してます。当然ハイパーインフレになります。