生きてる生きてく | ハワイ島 写真撮影 写真教室「三日月カメラ」「三日月写真教室」

ハワイ島 写真撮影 写真教室「三日月カメラ」「三日月写真教室」

ハワイ島・ビッグアイランドの写真教室・写真撮影「三日月カメラ」のブログです。


世界中の多くの人にとっての【ハワイ】とはどういう場所なのか?…を考えた時に、ほんとうはこういうことを話題にしてはいけないのかもしれません。

それと同時に、【ハワイ】を愛する者として、たとえば華やかなホノルルの明るい部分だけではなく、今の私たちが置かれている現状も、紛れも無い【ハワイ】の一面として、知っておくべきだとも思うのです。

私がここに住んでいることに対して、もしも、何らかの「意味」やら「役目」があるのだとしたら、そこに蓋をすることではなく、それを伝えることだろう。。。とも思うのです。

…ということで、いろいろと考えた結果として、今、私たち【ハワイ島・プナ】の住人たちが局面している現実と現状を、ここに記しておくことにします。




私たちの住む【ハワイ島・プナ】地区は今、キラウエア火山からの【溶岩流】に巻き込まれてしまう、という危機に直面しています。

6月27日から「プウオオ火口」から噴出し始めた溶岩が、島の北東へ向かい、今も流れ続けています。

ハリケーン Iselle がハワイ島を直撃したのが、8月7日。
その復旧に約2週間を要し、やっと以前の生活が戻ってきたと思っていたら、今度はこの溶岩です。

噴出し始めた日付から「June 27th flow」と名付けられたこの溶岩流は、このまま流れ続けると【パホア】の町を直撃し、さらに海側の Hawaiian Shores、Hawaiian Beaches と呼ばれる住宅街を飲み込んでしまう…との予測が出されています。

今のペースなら、パホアの町に到達するのが2週間後。

パホアの町を溶岩流が横断するということは、今の時点ではヒロまで出る唯一の道でもある【ハイウェイ130号】も潰されてしまう、ということになります。
それはつまり、そこよりも奥に住んでいる人たちは、どこにも行けなくなり、完全に孤立してしまう…ということ。

上記の地区の住人たちは、貸し倉庫へ荷物を移動したり、引越し先を探したり、食料やプロパン、ガソリン等の確保に奔走しています。

「三日月写真教室」のある「アイナロア」は、いまのところ溶岩流の軌道からは外れていますが、このまま噴出が続き、溶岩流が勢いを増し、その筋道を増やしたら、どうなるかわからない場所に位置しています。

それに、幸運にも溶岩流の被害を免れたとしても、貿易風に乗ったその噴煙はどこにたどり着くのか…という問題もあります。

ということで、私たちも、友人たちと連絡を取り合い、情報を交換し、近況を報告しあい、来たるべく時に向けて協力体制を築きつつあります。

ハリケーンの時もそうでしたが、「みんなで助けあって生きていこうね」と言うのが、このエリアに住む日本人女性たちの合言葉になっています。


ハワイ島の火山の女神・ペレのお膝元である【プナ】。

今回のこの溶岩流は、ペレが私たちに与えた「試練の時」だと思っています。

ここ【プナ】は、ここ数年で爆発的に人口が増えた「新興住宅地」です。
私のような「外国人」も含めて、アメリカ本土からも多くの人たちが移住してきています。

ハワイの神話の中でも重要な土地である【プナ】に住みながらも、ハワイの土地そのものに対するリスペクトが足りなかったのでは…と感じています。

ハリケーンや、今回のようなことがあると、ペレに「ほんとうにここに住む覚悟があるの?」と試されているのかな…と思わずにいられません。

それと同時に、私たちはほんとうに、ペレに(あるいは他の何かに)、この土地に「住まわせてもらっている」んだな…とも。

ここに住んでいると「土地への感謝」という想いが、実感として湧いてくるのです。



…たぶん、この意味がわからない方、たくさんいらっしゃると思います。

だって、私も、プナに住み始めるまでそんなこと、考えたこともなかったし、そんなことを言われてもきっと、理解できなかっただろうと思うから。



そして今、私は、生まれて初めて「実感」として、「生かされている」と感じています。

住める土地があって、呼吸できる空気があって、食べられる食料があって、支え合える友人たちがいるからこそ「生きる」ことができているのだと、人生40年目にして初めて知ることができました。



【プナ】は今、試練の時です。

ここから学べることはたくさんあるはずです。

ここから何を学ぶのか…が、これからの私の糧になるのだとも思っています。


「生きてる生きてく」という、福山雅治さんの歌がありますが、いいタイトルだな~って思います。そのPVが、ハワイ島で撮影されたっていうのもなんだか、そういうことなのかな~って思うし、そしてその撮影コーディネーターのひとりが、今では大切な友人になっているのもなんだか、不思議なご縁だな、とも。。。

こんなふうにこの言葉がココロにグッと来る日が来るとは思ってもいませんでしたが…。


…ということで、散文ではございますが、いろいろとご心配してくださっている皆様。
私は大丈夫です。
私は、「生きてる」し、これからもベストを尽くして「生きてく」所存でございます。



とにかく、プナ及びパホアは、ここから数週間が正念場です。

今後、皆様のお力添えを必要とすることもあるかもしれません。
その際には、どうぞ、どうぞよろしくお願いいたします。




ちなみに、ハワイ島訪問をご検討中の皆様。
プナ以外はまったく影響のないことですので、どうぞご安心してハワイ島にいらしてくださいね。


溶岩を嫌いになっても、ハワイ島のことは嫌いにならないでくださいっ!!!!



今後とも【三日月カメラ】およびハワイ島をどうぞよろしくお願いいたします。



2014年9月12日
三日月カメラ 石川結雨子