強大な帝国にのまれていく故郷を守るため
死を求め戦う戦士団<独角>
その頭であったヴァンは奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた
ある夜
ひと群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い
謎の病が発生する
病を発症したが難を逃れ
逃げ出したヴァンは幼い少女を拾う
一方
移住民だけが罹ると噂される病が広がる
王幡領では医術師のホッサルが懸命にその治療法を探していた
感染から生き残った父子と
命を救うため奔走する医師
過酷な運命に立ち向かう人々の絆の物語・・・
上橋さんの作品と言えば
NHKで放送されていた
「精霊の守り人」を挙げると「ああ~」ってなるかも。
上橋さんの世界が好きで
前回は「獣の奏者」を読んで
壮大なファンタジーの世界にどっぷり浸かりました。
そして
今回
また別の世界へと飛んだわけですが
この世界もまた私の心を鷲掴みしてくれました。
主人公のヴァン
娘のユナ
医師のホッサル
サナ
それぞれが魅力のあるキャラクターでした。
どうして自分は病に罹っても死ななかったのか。
死に場所を探していきてきた。
病に罹った時もやっと死ねると思っていたのに。
そう思っていたヴァンに家族ができた。
孤独なヴァンにとったら
ユナは大きな存在だった。
そんなヴァンの体に変化が起こっていることに気付いた。
自分が自分じゃない感じ。
この変化は後に嫌な方向へと向かいます。
ただ岩塩鉱から逃げ出した奴隷としてではなく
謎の病から逃れた稀有な人間として
そして
犬の王の後継として追われることになるヴァン
彼は最後にある決断をします。
それは辛い決断。
でも上橋さんは希望を見せてくれています。
その希望を私は信じたい。
タイトルの「鹿の王」の意味も分かります。
最後に
子どもみたいだけど
飛鹿(ピュイカ)の暁(オラハ)に会ってみたい(笑)
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