もしかしたら、子宮内膜症かもね・・


昨日のうちにきてくれたら。こんなにならなかったかもしれないのにね・・


気の毒そうに救急の先生が言いました。


検査を進めていくうちに、「ん?」 「ん?」という感じ。車椅子であちこち連れて行かれましたが、「がんセンター」とプレートがかかった部屋へと通されていきました。


(私) あのぉー・・私、がんですか?


(先生)いや、まだわかりません。


こんなやりとりがあったあと、


ご家族は?緊急手術が必要です。ここは、本日、手術室が空いてないので、埼玉の系列の病院に行ってください。救急車で搬送してあげたいのだけど、救急車は県をまたげないんだって。すみませんが、タクシーで行ってくださいね。と、先生・・・


看護師さんが息を切らして、本日の検査のデータを焼いて持ってきてくれました。


とにかく、急いで行ってください!




埼玉で、オペをしたら、こちらには戻ってこれません。今後の治療は埼玉ですることになります・・ナドナド言われましたが、選択肢はありませんでした。


救急車に乗ってくれたお友達も、そのままタクシーに乗ってくれて、搬送先の病院に二人で向かいました。


タクシーの中で、手術ってなんだろうね?・・なんて話をしていった記憶があります。


埼玉の病院は、知らせを受けていた先生たちが、玄関で待ち構えておりました。


さっそく、ストレッチャーに乗せられて渡されたデータを見ながら、またまた検査・・・



結果、今度は足に血栓が見つかり、今すぐの手術は無理ですということに・・・


とにかく、入院ということになりました。


やっぱりか・・前日、荷物をまとめておいたことを友人に言い、翌日持ってきてもらうことに・・・



看護師さんに部屋に案内され、入院の説明を受けました。


(私) 看護師さん・・・・私、これから、ながーい入院生活になるんですよね?


(看護師さん) そうですね・・・


(私) ですよね~。。。なら・・一本だけ・・最後の一服させてください!!!


(看護師さん) ・・・・ダメです(きっぱり)


(私)ですよねぇ~・・こんなことなら、タクシー降りたとこで、吸えばよかった・・


と、この後に及んでタバコに執着・・^^;


ひとまず着替えてベッドに横になったら一気に病人になってしまいました。


先生が、言いました。


(先生)先に、抗がん剤を始めます。


(私) やっぱ、がんですか?


(先生)いや、まだわかりません。手術して、検査しないと何とも言えないのですが、今の状態は明らかにがんの症状です。腹水でお腹が苦しそうだから、抗がん剤の前に、腹水を抜きますね。抗がん剤が効けば、腹水はなくなりますが、それが、一週間先なのか、三週間先なのかはわかりません。抗がん剤をしてからだと抜けないので先に抜きます。あまり抜きすぎても栄養もとっちゃうから、二リットルを二時間かけて抜きます。


確かに、もう、仰向けにも、うつ伏せにも、横向きにも、お腹を抱えることすらできません。この二三日で、臨月の妊婦さんのようなお腹になっていました。中から、破裂するんじゃないかって感じです。


痛み止めは、座薬で入れてもらっていましたが、大腸の転移の疑いもあり、何度も何度も、肛門からの触診で、ほとほと嫌気がさしてしまって、座薬以外の痛み止めはないのか・・もう、肛門を責められるのは本当に嫌だと、泣きつき、点滴に変えてもらいました。六時間ごとしか投与できないと言われ、痛みで眠れず、六時間を待ってナースコールを押しまくりました。


さて、腹水を抜いてもらいました。

あまりの多さに、2.5リットルが、ものの40分で出てしまいました。

圧迫されていたお腹が、少しずつ楽になるのを感じました。お腹に隙間が出来て、少し、お腹もすいてきました。


初日は検査検査で、やっと夕方・・・・

個室に友達と二人になって、しんみりと・・・


(私) ねー・・先生、がんって言ってたよね・・・

(友達) ・・・うん・・言ってたね・・・

(私)・・・・・・怖い。

涙がポロポロ出てきました。


沈黙が続きました。一日中、付き合ってくれた友達が、まさか一緒にがんの告知を聞くことになるなんて・・・


(私)お願い、みんなには言わないで・・・・そんな、会話で精一杯だったような気がします。



いよいよ、準備が整って、抗がん剤の投与となります・。


つか・・・抗がん剤がどんなものか・・・今後、どうなっちゃうのか・・・


とにかく、無知で、何も知りませんでした。

恐ろしいと思った抗がん剤は点滴でなんの痛みもなく、体の中に入っていきました。


(私)先生・・・治療はどのくらいかかるんですか?


(先生)少なくても三ヶ月、それ以上かかると思ってください。


(私)仕事はできますか?


(先生)してもいいけど・・・疲れるよ・・・


諦めというか、この体の動かなさに、明日明後日でどうにかなるものではないということは、うっすらと理解できました。


検査なんかして、変なものが見つかったら、仕事を休まなきゃならない。見つかったときは終わりの時だ・・・・なんて、無知で浅はかな考えだったのでしょう・・


早期に発見すればいろんなことが、簡単に済んだのに、こんなギリギリまでなんの検査もしてなかったがために、八ヶ月も仕事を休むことになってしまったのです。