2026年10月12日に出資馬イプシロンナンバーが京都競馬場で蹴上特別(ダート1800m)に出走しました。

感想を記します。

 

中間

4/12に中山競馬場にて印西特別(ダート2400m)に出走、3着した後放牧。
「疲れがどうのこうの」と更新レポートで言っていた気がするが、権利取ったのにわざわざ捨てる意味が分からないので「他の馬を入れたい」という意味だな、と受け取っていた。
中央復帰後は小倉ダート2400m→中京ダート1900m→中山ダート2400mと、"長めの距離"のダートを使っていたので、阪神ダート2000mか、3着した印西特別と同条件の松戸"マッドシティ"特別あたりを目標に戻すのかな、と思っていたら、8月になっても「馬の準備が出来たら戻す」とかそんな更新レポート。
もしかしてなんも考えてない? だから10年以上中央重賞勝たれんのでは、とか思ったり思わなかったり。
もう少しして、「9月中旬に帰厩させようと思う、京都ダート1800mでの出走を検討」とのレポートが出て、やっとかよ、丁寧なお仕事で、と思いながら使いそうな番組をピックアップ。
10/3京都12Rと、10/12京都9R。
資格試験の前日と、3連休の最終日。京都は近場だけど、微妙に行きにくい日だなぁ… と思ったような記憶(思うだけで行く/行かないの二択なら、択にならないけれど)。
今年のスーパー猛暑もまあ落ち着いたかなという9月に入ってから入厩。
もともと"おつきあい"が必要な脚元の爆弾と、筋肉が硬くなりやすい体質持ち。そんなバリバリやる必要もない(というか、バリバリやったら壊れる)。だから、レポートも「追切やりました」を認識するぐらい。
その間に仕事でやらかして、詰め&吊し上げの管理職プレゼンをやることになり、資料作りをしろというご命令が下ったり、正直余裕がなくてそんなじっくりレポートも見てなかったし、JRA-VANの調教時計をチェックすることはなかった。
現実逃避で10/3に京都競馬場に行って"適鞍"も競馬場で見たけど、"関西ダート中距離2勝クラスの門番"ことジョータルマエさんが後続に突かれて作り出した厳しい流れを、中団に控えた(ついていけなかったとも言える)システマソラーがブチ抜くレースで、レース前は「月まで蹴り上げたろかワレェ特別(蹴上特別)よりこっちの方がメンバー弱いんちゃうの」と思ってた。
レース見たら「システマソラー強かったし、出てても厳しかったかなぁ」とテノヒラクルーしてた。
そんなこんなで当週木曜。出馬投票確認、口取りも申し込み、当選した(というか、申込者は3人だった)。
口取り抽選の時に、ぼくはユニオンOCの会員さんのシビアな面が見れると思っている。
関西以外の人なら、新幹線なり、飛行機なり、高速代なり、決して安くない交通費をかけて、自分を"輸送"してくる必要がある。
予算は限りがある。"輸送"は勝てる馬に、ということだと思う。
ぼくは、ユニオン会員さんのそういうシビアさを気に入っているところがある。
夢を見ながら、足元も見る。"持続可能な"一口出資を目指している人が多いのだろう。クラブの経営もそう感じる。
だが、つむじ曲がりなぼくは、口取り申し込みが少ない、出資馬が評価されていない時ほど、妙に張り切る。
昔、何かで読んだボクシングの名伯楽の言葉が心に残っているからかもしれない。
『勝ったら友達いっぱい。負けたら誰も来ない。だから私は負けたボクサーのそばにいる』という要旨の言葉だったと思う。
 
デビューの頃を思い返せば、正直、イプは「どうしようもない出資馬」だった。
強い調教(当馬比)をやればコズむスクむ、脚は腫れる。
中央でデビューできず地方デビューはイプの1歳上の世代で経験していた。
「こいつもアカンかもなぁ、ならデビュー戦が引退レースかもなぁ」と伊勢湾岸自動車道を飛ばして中京競馬場まで見に行った。
パドックでは頭の上に「?」を浮かべ、わけもわからないままにハンドラーに牽かれる。
とても走れる状態にないと思った。走破タイムが出ない大差負けだと思った。
最終直線で故障した馬の影響を受けながら、集団の中でゴールした。
11着。
完走は15頭だから、4頭を何とか抜かしたに過ぎない。先頭からは2秒8離されていた。
それでも、予感よりはずっと良かった。久しぶりに出資馬がハードルを飛び越えたような感覚があった。
でも、時間がなかった。未勝利の終了はもう1か月もしないすぐそこに迫っていた。
"初出走"のゴールデンチケットはもう使ってしまった。着順で権利も取れなかった。前走間隔の優先権も厳しい。
ラストチャンスに賭けて、地方との交流未勝利を申し込んだ。奇跡的に、枠に入れた。
交流未勝利の2日前に、中央の3歳未勝利の最終競走は終わっていた。正真正銘のラストチャンスだ。
勝負をかけた。勝ちに行った。でも、届かなかった。
こいつは、何かがある。可能性がある。まだできる。必ずできるようになる。だから、ファンドは続けてくれ。待つから。
祈った甲斐があって、ファンドは継続、兵庫で仕切り直しとなった。
ここで難しい脚元が顔を出し、しばしの"充電"を経て、西脇へ。
園田1870mのC2戦、快勝。
2勝で戻れる刻限、大晦日の、1400mC1戦、勝ちパターンに入っていた2着馬を上からガシャーン! で1着。
鞍上下原の、「この馬、走りますよ」。
「上に行く馬は、こういう馬だ」。
何かがある、はもう少し具体性を帯びていた。
だから、再転入初戦は、ものすごく自信(?)があった。
2戦2勝で帰ってきた。当たったクラスは疑義があるけれど、負けなしで帰ってきたことが1勝クラスで通用する根拠だった。
その通り勝ち切り、またイプは"ハードルを飛び越えた"ように思っていた。
お気持ち話が長くなってしまった。この中間に戻ろう。
 
毎週買っている週刊ブックの想定の予想印を見て、「評価が低い!」と憤慨しつつその内心、「この低評価を覆せるはずだ!」という根拠のない自信が現れた。
口取りも申し込むつもりなのだからそうなるのは当然だと思う。
 

パドック~返し馬

筋肉が硬くなりやすい体質から、硬い歩様なのはいつものこと。
右の前肢が太く、脚の運びに違和感があるのもいつものこと。
大晦日の園田では、緊張感なく口内でハミを弄んでいたことを考えれば、ずっと緊張感を持って歩いている。
周りでは「1番、落ち着いてるね」「良く見えるね」という声が聞こえたような気もするが、あれは落ち着きではないとぼくは思う。
あまり周りを見ない気質なんだろうと思う。
良いように言えば物事に動じない、悪いように言えば緊張感がない。そういうことなのだと思う。
鞍上の松若さんは8Rも騎乗されていて、連続騎乗。パドック騎乗はないなと判断して、速めに切り上げて本馬場の動画撮影にスマートシートへ。オーロラビジョンでヒダカBUの勝負服が見え、マズったと思ったが、時すでに遅し。
返し馬は早々にキャンターで流していく。跨った時にトモの感触が良くなかったらしく、ほぐす意味で早々のキャンターを選択したらしい。この辺りは"馬に乗せてもらったことがある"程度の人間にはわからない世界だ。
 

レース

スマートシートが口取りの集合地点から遠かったので、集合地点からコースに出て、出入口すぐのあたりから見ていた。
ぼくはジョッキーと変わらないぐらい(下手をすれば多くのジョッキーより)背が低いので、GLで見る時は他人の背中や後頭部の隙間からビジョンを見る形になる。だから、あまりはっきりとは見れていない。
スタートは良かったように思う。遅れてはいなかった。
が、加速が弱かった。もう一列前を取りたかった。
2着に入るクロノスバレットと並ぶ形になったのも運が悪かった。内の進路を取ろうにも馬群は密集していてスペースがなかった。外に進路を求めようにも、3角から動き出したクロノスバレットに蓋をされて加速が遅れた。
ただ、そんなことは枝葉に過ぎない。
勝ったソルチェリアは逃げて、61秒0で1000mを通過し、残りの800mを50秒5でまとめて1分50秒5で走り切った。推定の上がり600mタイムは37秒1。対してイプは37秒2。
ソルチェリアは3歳重賞で4着した経験のある実績馬だ。能力が高いのはわかっている。
「上に行けるのは、こういう馬だ」。
その思いが打ち砕かれたような気がした。
このクラスは勝てても(というか、順番の問題だと思っている)、3勝クラス、OP、重賞でやっていくにはこの心肺能力の怪物たちと渡り合わなければならない。
2走前の弥富特別で、後ろから一切抵抗できずに交わされたタイセイアディクトが、3勝クラスで苦戦を強いられている現実、そのタイセイアディクトに1段、いや2段劣る決め手しか持たないイプが、本当に「上に行く馬」なのか、確信を持てなくなった。
 
結果の数字を見れば、単勝7番人気(22.3倍)4着は、評価を覆す好走と言えるだろう。
「よく低評価を覆した! よくやった!」
そう言ってやりたい気持ちもある。ブックのボケトラックマンども見たかオラァンとも思う。
でも、それを口に出したら、イプが「2勝クラスで善戦が精一杯の馬」と認めてしまう気がする。
だから、「上に行く馬」との確信を持てなくなった今でも、厳しい評価を口にしたい。
「上位3頭、特にソルチェリアとの決め手の差が、現状の全て」と。
 
 
松若さん、今回も精一杯の騎乗、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
小崎憲厩舎の皆さん、日々の管理・調教ありがとうございます。管理の簡単な馬などいないと思いますが、管理の難しい馬をよく管理いただき、感謝いたします。
関係者とも言えない身ですが、週一回のレポートが日々の生活の糧になっております。
また競馬場でお姿を拝見するのを楽しみにしております。
本日は本当にありがとうございました。