「歌謡倶楽部艶漢 第二幕」
無事に閉幕致しました。

ご来場下さった皆様、本当にお疲れ様でした。今回は皆様も出演者。だからお疲れ様。そしてご参加下さりありがとうございました。

今までとは全く違ったスタイルで臨んだ今回のステージ。夢のような時間を過ごすことが出来ました。
舞台はお客様が入って初めて完成するとはよくいいますが、今回はそれともまた違くて。艶漢の世界を文字通り全員で創り上げた公演でしたね。

あの世界を広げてくれて、新しい色をつけてくれてありがとう。みんなと一緒だから見れた景色がありました。

千穐楽の前日。ほんの少しだけ弱音を吐きました。いつまで吉原安里を演じられるのだろうか、と。
俺は完璧主義者だから、見た目であれ中身であれ、一つでも違和感があればやるべきではないと思うのだけど、今回気付かされたことが二つ。

それを判断するのは俺自身ではないだろうということ。
そして俺は安里を手放す気が全くないのだということ。

吉原安里はもう俺の一部だから。

普段の舞台では、共演者の感情・感覚・動きにはアンテナを張っていてもお客様のそれには全く意識を割かない。
だけど、今回は皆様のリアクションに応じて中身を変えて、というか変わっていった。そうして安里の目を通して直に皆様の心に触れた折、今までに感じたことのない感情のうねりを確かに受け取りました。
皆様のおかげで、四回目にしてまた一歩、吉原安里に近付くことが出来ました。

この経験は一役者として更なる高みを目指す足掛かりとなったことは間違いありません。

あの景色、新たに産まれた感覚、抱いた感情、全てが宝物。一生忘れられるわけがありません。
皆様の中にも同じものが芽生えていると信じて。またこれからも同じ景色を見ていきましょう。感じていきましょう。
皆様はもう俺の戦友ですから。

いつかあの場にいた全員で打ち上げしたいね。

本当に。本当に、出逢ってくれてありがとう。ありがとう。


最後に、原作の尚月地先生。

この世界の産みの親。
漫画であれ、演劇であれ、娯楽と呼ばれるものが世の中にどんな効果をもたらすのか。
具体的な答えはいつまでたっても出やしないけれど、あの日確かに動いた何かがある。
それが世界からすればほんのちっぽけなものだとしても、その小さな力を俺は信じている。
尚先生の頭の中から始まった艶漢という物語。そこには確かに誰かの世界を変える力がありました。
この物語に関われたことに感謝しております。新たな扉を開けて下さりありがとうございます。

心友、末原拓馬とも良く話す。物語は世界を変える。
これからもその力を信じて生きよう。

吉原安里様。
また一つになれる日を願っております。

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