リトリーブサイコセラピー
心理セラピスト
子間宮みかです


画像お借りしました。
岡田尊司さんの
悲しみの子どもたち─罪と病を背負って
を読み終えました。

医療少年院に勤務していた時の
犯罪を犯した子どもたちの
心について書かれています。
犯罪を犯した、
その結果、子どもたちは
普通の子ども時代を過ごせずにいた
事実よりも、危ない存在と認識され
別の世界に住んでいるようにも
思われます。
子どもたちの核心とも呼べる心の痛みは
親との関係から出発した事が
書かれていて、
他人事ではなく、
感じる痛みは同じ事がわかります。
岡田尊司先生の本が好きな理由、
世の中をあらゆる角度で見て
他人が見て見ぬふりをしている影の部分も
ちゃんと言葉にしてくれているから。
弱い立場、虐げられる人は
そのような存在ではなく、
そうなってしまった背景があると汲んで
くれているから。
生き辛い、
幼少期を過ごしてきた私にとって
「お前がちゃんとしないから悪い」
と親から責められ、
馴染めなかった学校や先生、
クラスメイトとの関係などを
「気持ちをやっと
分かってくれる人がいた」
と幼い体と心でヘロヘロになりながら
生きていた私が報われ救われた瞬間でした。
長くなりますが、心に留めておきたい
箇所を抜粋させてもらいたいと思います。
尚、非行という言葉を
生き辛さという言葉に置き換えると
言葉が入りやすいと思います。
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*
子どもにとって学校は、初めて出会う世間であり、社会というものを学ぶ場である。
知識を身に付けるよりも、まず大切なのは
そこに受けいられ、自分を認められる
体験をすることである。
そこでしっかりと受け入れられる経験をしたものは、人とのつながなりや社会に
対してボジティブなイメージを抱くことができる。ところが、逆にそこで拒否されたり、否定される経験をしたものは、
人や社会に対する不信感やネガティブな
感情を長く引きずることになる。
自分は受け入れられない、劣ったダメな
存在だということを幼い心に刻み付けるために学校が機能したとしたら、それはあまりにも悲しいことだ。
しかし、一部の子どもたちにとって、
そうした事態が現実となっているのである。
*
ありのままに受けとめることの大切さ
非行の最大の危険因子は親であるという現実がある。
親が子供を損なう時、その問題の本質は
何かと言えば、子供ではなく親が主役を
演じていることである。
子供の気持ちではなく、親の都合や願望ばかりが優先されているのである。
非行少年たちは事件を起こす以前から心に怒りの感情を抱いている。
その怒りは自分が認めてもらえないことに対する不安や不満からも発しているが、
同時に親を失望させた自分自身に対する怒りでもある。
明らかにひどい親であっても、
心の底からは親を悪く思えず、親が自分を見捨てたのではなく、自分が悪い子だから親に見捨てられたと思っている。
多動型の非行少年のように、小さい頃から叱られ否定され続けてきた子供だけでなく、
親の気持ちや顔色に振り回されてきた依存型や境界型の子どもたちも、
人より勝った存在でなければ親に価値を認めてもらえなかった自己愛型の子供達も、
親の操り人形のように育てられ受動的で人のつながりを楽しめない回避型の少年も、
みんな自分に対して否定的な評価を抱いている。そしてその評価は元をたどれば親が当人に下した評価でもある。
親がその子に失望し見捨てたのだ。
あるいは、人より抜きん出た優れた、存在でなければ価値を認められないと教え込んだのだ。
*
多様さを受け入れ、生かす社会
親に受け止められること以上に、子どもたちにとって同年代の子供に受け入れられることは生存を左右するほど重要なことである。
突発的な犯罪を犯した子供の多くは、
全く友達がいなかったり、本当の友達というものを持てずに日々を過ごしている。
一人でいる方が気楽だと感じる一方で、
友達がいないことに深い孤独感や引け目、不全感を抱いている。
こうしたタイプの子は集団生活でも立ち回りが下手で、子供たちの間におのずとグループができるころから次第に学校にもいずらさを感じていく。
こうした「グループ化」は排他的にもなりやすく、受動的な子どもや適応の悪い子どもからさらに居場所を奪い、不登校やいじめの原因にもなっている。
また、画一化された教育制度の弊害は、
もはや限界に達している。
子供たちの多様な特性や嗜好に合わせた柔軟なシステムが必要なのである。
ことに中学の3年間が、それぞれの子供にとって有効に生かされているかは、大きな疑問を感じざるを得ない。
それは教師の怠慢ということではなく、
システム自体に無理があるように思える。あの年代の子供たちに、同じ内容を均一的に習得させようとすることは、一部の生徒にとっては落伍者の烙印を押すだけの意味しかなく、虐待を加えているのにも等しい。
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生き辛さを抱えてきた人に読んでほしいです。
岡田先生の本は、
自分を責めることをやめ、
長年逆風の中 飛んで傷んだ羽を休める場所でもあります。
どうぞ上記の抜粋した文に
安らぎを感じた方は
この本をお読みください。
そして、理解される側から
理解する側へ
暖かな眼差しで子どもたちを
見守っていきましょう。

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