第6話
点滴スタンドと一緒に歩かなくなって、とても身軽になったら、ベッドで寝ているのも退屈で、7階の病室から1階にあるコンビニへコーヒーを買いに毎日階段を降りて行きました。
帰りは、4階くらいまで階段を上がれましたがそれ以上はしんどくなってエレベーターで上がりました。
入院前に砂浴をしていたおかげだと思うのですが、体はとても元気でした。
手術した方の左の頬は、大きく腫れて鏡を見るのが辛かった。
なかなか腫れが引かず、一年くらいずっとマスクをして生活していました。
一年経った頃に腫れが引いて、やっと顔の左右の輪郭がほぼ同じになりました。
手術してくださった先生には、感謝しています。
「上手に」と言うと失礼ですが、他に言葉がみつからないので、とても上手に手術してくださったと思っています。
嚥下のテストでOKをいただき、手術から10日目くらいに重湯とミキサー食がでました。
噛まなくても飲み込めるような食事ですが、舌の上に乗せた食べ物は、再建した舌が下顎に縫い付けてあるので動かず、舌の上に乗ったままで、噛むことも、飲み込むことも出来ませんでした。
お味噌汁やお茶などの水分を口に含んで飲み込まなければなりませんでした。
ミキサー食は、食べる喜びが薄いので、刻み食にしていただきました。
口も大きく開かなかったので、食べ辛く、口の中に入れた物を動かすこともできなかったので、お箸で奥歯の上に食べ物を乗せてよく噛んで、水分を口に含みいっしょに飲み込むと食べ方で、喉の通りも悪く飲み込みをするには、よく噛んでドロドロになったものを水分といっしょに飲み込んでいました。
一食食べるのに1時間半から2時間かかりました。
口から食べられる喜びは、今でもありがたいです。
続く