重いドアを開けて事務室をノックする。


返事はない。


2回ノックしたが返事はない。


覗き込むと寝ているおじさんが1名。


ソファに横になって寝ているうぅー



会社おやじ。 ZZZZZ


いちご。 「すみません!」


会社おやじ。 「はい? なにか?」


いちご。 「面接の約束をして頂いているいちごと申します」


会社おやじ。 「あぁ~ちょっと待ってね」


といい奥へ消えていった。



事務室から保育室は柵のみなのでよく見える


先生一人に、子どもが20人くらい


観察していると昨日の電話対応した先生が現れた




サラリーマン富樫 「あ~どうも」


いちご。 「宜しくお願い致します」


サラリーマン富樫 「古いビルにいきなりメルヘンな世界で驚いたでしょう?」


いちご。 「はぁ(地味だなぁって思ったけど)」


サラリーマン富樫 「ここは私の義弟がペンキで塗ってくれてねぇ・・・」


いちご。 「そうなんですね~」


サラリーマン富樫 「牛の模様は元は雨漏りよ~」


   そのあと世間話がしばらく続く


いちご。 「履歴書です。」


サラリーマン富樫 「あなた認可保育園の経験ないの?」


いちご。 「はい。公共施設の託児所で働いていました。」


サラリーマン富樫 「経験ないんだ~ここはベテランばかりよ?」


いちご。 「保育士の経験は浅いですが、


   子育てとファミサポの経験はあります!」


サラリーマン富樫 「ふ~ん」


いちご。 「・・・」


サラリーマン富樫 「あなた転勤族なの?」


いちご。 「はい」


サラリーマン富樫 「またいなくなっちゃうわけ?」


いちご。 「こちらに来てまだ1年ですのでしばらくないと思います」


サラリーマン富樫 「うちは募集すると沢山応募があるわけ」

  

   「みんなうちで働きたいって言うんだよね~」


いちご。 「はい」


サラリーマン富樫 「今回もあなたの前に一人いたんだよね~」


いちご。 「はい」


サラリーマン富樫 「今回採用するのは一人だけだから」


いちご。 「はい」


サラリーマン富樫 「まだ面接していない人もいるしね~」


いちご。 「はい・・・」段々イライラしてきた


サラリーマン富樫 「旦那は何の仕事?」


いちご。 「営業です」


サラリーマン富樫 「なんの??」


いちご。 「(言いたくないんだけど)金融業です」


サラリーマン富樫 「へぇ~働く必要ないんじゃない?」


いちご。 「いえそんな事は・・」


サラリーマン富樫 「うちは週2~3回だよ」


いちご。 「週2~3回を希望しています」


サラリーマン富樫 「時給言ったっけ?」


いちご。 「いえ」


サラリーマン富樫 「うちは最低賃金だから」


いちご。 「というと・・」


サラリーマン富樫 「670円! この前ちょっと時給あげたからさ!!」


いちご。 「(すくな!)」



サラリーマン富樫 「交通費も自転車で来ても100円あげるよ」


いちご。 「・・・」


サラリーマン富樫 「まぁまだ面接していない人がいるから


   あなたどうなるかわからないから」


いちご。 「わかりました」


サラリーマン富樫 「そのうち電話するからね」


いちご。 「はい。ありがとうございました。」



なんか、話し方がムカムカとする。


働かなくていいや!と思っていて


実家に1週間ほど遊びに帰っていると


自宅に数回留守電が入っていたと旦那から連絡があった。


すぐに電話すると



サラリーマン富樫 「大事な事聞き忘れたからさぁ」


いちご。 「どのようなことでしょうか?」


サラリーマン富樫 「あなた何型?」


いちご。 「??」


サラリーマン富樫 「血液型!」


いちご。 「B型ですが・・」


サラリーマン富樫 「Bかぁ~ためいき


いちご。 「ムカムカ


サラリーマン富樫 「あなたBなの~?」


いちご。 「はい」


サラリーマン富樫 「まぁいいや」


いちご。 「あの結果は・・」


サラリーマン富樫 「まだ。また電話するから」


いちご。 「はい」



この時点でイライラ最高潮!


B型で悪いか!


面接で血液型聞かれたの初めてだよ。



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