川沿いの桜がとても綺麗です。
実は内緒の話なのですが、
わたしのお部屋にはどうやら小人さんが住んでいるようで、毎朝毎晩毎日わたしの耳元で話しかけてきていたんです。
「おぅい、春はいつ来るんだい？」って。
だからわたしは答えました、「雪が解けたらだよ」って。
だけど雪が解けてもまだおうちは寒くって、春の来る気配はありません。
すると明くる日、また小人さんが聞くんです。
「おぅい、春はいつ来るんだい？」って。
だからわたしは答えました、「大きな風が吹いたらだよ」って。
だけど大きな風が吹いてもまだ空は灰色で、春の来る気配はありません。
また明くる日、小人さんが聞いてきました。
「おぅい、いつになったら春は来るんだい？」って。
わたしは答えました。「桜が咲いたらだよ」って。
しばらくすると川沿いに満開の桜が咲いて、街は観光客で賑わい始めました。
わたしは「ほら、春がきたよ」と小人さんに教えたのですが、小人さんは窓の外を見ながら「まだ春じゃないよ」と言っていました。
そして今日。
わたしはピアノを弾きました。
ピアノを弾いて、泣きたくなって、嬉しくなって、悔しくなって、口を開けば涙が溢れそうなくらい、たくさんの感情を持ちました。
そしてその感情が詰まった心をごまかしたり忘れようとしたりせずに一歩ずつ進んで行こうと、新たに心に誓いました。
改めて、沢山の感謝の心を忘れずに進んで行きたいと思いました。
そしたら小人さんが言いました。
「あぁ、春がきた、春がやってきたよ！」
わたしのお部屋には小人さんが住んでいます。
信じてくれる？
さ！
また1年、みんなが素晴らしい四季を迎えられますように
