住野よるさんといえば、私は
君の膵臓をたべたい
また、同じ夢を見ていた
この2冊を読んだだけですが、心に染み入るような、優しい小説のイメージです。
今回もホラッ↓
こんな表紙ですもん。
キラキラした感じかな?と思って読み始めました。
序盤 理屈っぽい主人公の男の子田端と、多分「青くて痛くて脆い」と思われる女の子秋好が出会い、二人のキャンパスライフが綴られるのかなと思いました。
しかし、すぐに
「あの時の秋好はもういない」
となり、二人で始めたサークルの変容した姿が。
田端はそのサークル本来の姿を取り戻す、的な戦いを始めるのです。
いなくなった彼女のために復讐しようとしているのかな?
ただ、読み進めうるちに、田端のイヤな面もけっこう出てくるし、「青くて痛くて脆い」のはむしろ田端のような気がしてきます。
そうなるとやっぱり気になるのはいなくなった秋好なんですよね。
田端が秋好のためにやっている、というのだったら多少はわかるかもだし、そうでなかったら本当にヤベェぞ。。。
そして、彼女がどうなったのかがわかってから、その後、は怒涛の展開でした。
読むのも辛くなる、「青くて痛くて脆い」っぷりです。
ただラストには少しだけ光があったのは住野さんだからでしょうか。
まぁ。誰もがあの時代って大なり小なり「青くて痛くて脆い」面を持ってたのかも。
自分だけじゃないのかも。
そんな思いが意外に救いになる気もする本でした。
内容(「BOOK」データベースより)
人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。―それから3年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。