金木犀の咲く頃に | 市役所職員シオラパルクの日記~地方公務員の日常~

市役所職員シオラパルクの日記~地方公務員の日常~

~地方公務員の徒然日誌~
千葉県生まれ。市役所職員。大学卒業後市役所に入庁。何度かの異動を経て、現在人事課に在職中。

僕は僕の住む町が大好きだ。

いい意味で古臭く、時間の流れが緩やかで、人がせかせかしていない。

昔からこの町の、10月の夕暮れがたまらなく好きだった。

その時期はとかく短い。キンモクセイがそこかしこに咲き始め、町じゅうがひんやりした空気と冬の気配に包まれる。

それはまるで、自分の中の眠っている魂に優しく語りかけるような気配。そして、耳元でひっそりとその気配は囁く。

これから少し厳しい冬が来ますけど、大丈夫。
ゆっくり目を閉じて、大きく息を吸い込んで。きっと良いことが起きますからね。

この町を包む静謐で穏やかな空気が、僕をそう励ましてくれているような気がするのだ。

地に足をつけて生きているという実感、あるいはアイデンティティ。それが僕にはある。