マンガ「坂道のアポロン」は家族の絆の物語でもあります。
主人公薫は、父親が船員で長期不在のため、高校生の薫を東京から実家のある長崎県の親類のもとへ預けます。母親はいません。薫を捨てて消えたことになっていましたが、実は後で会うことになります。
千太郎は実の父母が分かりません。作中、実の父は米軍基地の兵隊という説もありましたが、定かではないようです。養父母の元で育てられました。
そんな出自の2人の男子が軸になって家族の絆を描き出すのです。父母、養父母、兄弟姉妹、叔母、従姉妹…。
そして、そこには救いもあり、また、やがて葛藤を経ながら家族を育んでいく側になっていく、そんな廻る運命に、恋愛だけではない、大きな広がりを感じさせてくれる作品です。