『月刊マガジン』で連載していたハロルド作石さんの「Rin-リン」が最新号の5月号で最終回を迎えました。感慨深いものがありました。
この作品を第1話から毎月楽しみに読んでいましたが、
間違いなく魂を太くする傑作と言いたい気持ちでいっぱいです。
高校生伏見紀人(ふしみ のりと)は漠然と高校生活を送っていました。しかし、マンガ誌編集部への持ち込みで手痛い経験をし、そののち本格的にマンガ家になることを志します。
また、居場所のないまま過ごしている不思議な力を持つ少女、石堂凛(いしどう りん)とふとしたきっかけで知り合います。二人が綾なすストーリーにライバルや友人、先輩、編集者たち、そして悠久の過去が絡み合い、奥行きのある作品になっています。
これを読むあなたがこのマンガを読んでいないかもしれませんので、内容を詳しく書くのは控えたいと思いますが、最終回について一つだけ書きたいことがあります。
難病で長生きできないであろう主人公の姉が、
一つだけ願いごとをかなえるならば何をかなえたいのか?
それを書いた短い日記を紀人が偶然目にしてしまいます。
その姉の日記の短い言葉の中に、
この作品で最も大切で美しいものがそれとなく表現されているように感じました。僕は涙が流れ出しました。ここに至るために今まで読んできたのではないかとすら思われました。
マンガを描くとはどういうことか、表現するとはどういうことか、ひいては人が生きるうえで大切にしなければならないことは何なのか。
このマンガはそれをマンガという手段にふさわしい形で教えてくれます。
マンガが好きな人だけではなく、表現を志向する人は必見のマンガではないかと僕は思わずにはいられません。
あなたが未読なら一読を進めたい作品ですよ。
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