いま僕にとって楽しみな野球マンガを3作品紹介するシリーズの最後です。
1作目が「錻力のアーチスト」、
前作「MAJOR」は平成野球マンガを代表する大作で、10年以上にわたりサンデーで掲載され、単行本は全78巻にも及びます。主人公、茂野吾郎(しげの ごろう)の半生記を描いた作品です。
「MAJOR 2nd」は吾郎の息子、大吾(だいご)が主人公。
大リーグのメジャーで投手として活躍し、野手に転向しながらも今も現役の日本プロ野球選手を続ける父、吾郎。そんな偉大なる父を持つ小学6年生の大吾は、周囲の期待に応えられず、また父親のような才能が無いことに苦悩し、ついに野球から離れてしまいます。大吾には、肩が弱いという投手として大きな弱点がありました。
そんな時にアメリカからの転校生佐藤光が現れます。実は父親の親友で今もプロ野球で活躍する佐藤寿也の息子であることが後でわかりますが、最初は光のマイペースぶりに反発する大吾でしたが、光の前向きな姿勢に影響を受けて変わっていきます。
大吾はキャッチャーを目指すことを決め、ピッチャーをやりたいという光とバッテリーを組むことを誓いました。
しかし、光が大吾の住む神奈川県から群馬県に転校となり、暗転。
僕がこのマンガを楽しみにしているのは、大吾は父の小学生時代に比べると本当に凡庸ですが、しかし、才能ではなく、努力によって、克服しようとする姿勢に、他の2世マンガにない、作者の思いを感じるからです。2世マンガとして「リングにかけろ 2」(作:車田正美)や「キン肉マン 2」(作:ゆでたまご)などが思い浮かびますが、「才能」や「血筋」ですべてを解決するようなスポーツマンガは安易ですし、やはり続きづらい。
しかし、この満田拓也さんの「MAJOR 2nd」は前作とは違った、偉大なる父を持ちながら、天才ならざるものがいかに困難を克服していくかという点で魅力があると言いたいです。個人的には前作よりも面白い出だしだと思います。
ちなみに目下、大吾と光のバッテリーは初めての試合に臨んでいます。
なぜそうなったのか?