第57臨目は
不器用だけれどしらけずに
純粋だけど野暮じゃなく……
(河島英五『時代おくれ』より)
抜群の包容力と
古朴な味わい『帳遷碑』、
2回目の臨書です。
基本的に臨書は技術、知識、品格などを
インプットする作業だと思います。
この『帳遷碑』のように、単純でありながら
古拙で素朴な味わいのある古典臨書は、
なんだか垢というか、余計なものが剥がれていくような気がします(笑)
しかし、一見簡単そうに見えますが、
非常に難しい古典です❗
かっこつけると雰囲気が出ません……。
何とも言えない、とぼけたような字形を真似ると、幼稚な感じになってしまいます……。
自然な風化も味わいですが、それを出そうと
プルプルし過ぎても、下品になってしまいます……。
「聞いて極楽、見て地獄」
という諺がありますが、この帳遷碑、
「見て極楽、書いて地獄」
と言えるかもしれません。

「臨書はこうやらないといけない❗」という明確なものはないと思います。
あくまで作品に取り込む為であったり、
師風からの脱却を求めたり、
逆に師風により近づく為に、
臨書は重要って言われるからとりあえず…、
等々でしょうか。
ねたまぬように
あせらぬように
飾った世界に流されず
臨書し続ける時代遅れの男になりたいです(笑)