草薙龍瞬・著
(2015年7月29日デジタル版初版発行)
『反応しない練習』
を読みました(R4.7.16)。
求めていた本のひとつに出会えたかもしれません。
ほとんど蛍光ペンだらけです(電子版)。
けれども、言葉の意味の用い方なのか、文章の組立や流れなのか、私にとって、やや理解しにくいところのある文章であると感じました。
タイトルから、
単純に、他者の言動に対して、動揺しないようになれる方策が書かれている本かと思いましたが、そのことも含まれますが、さらに正当で深い内容でした。
本書は、ベストセラー&ロングセラーの本とのことです。
著者は、どこの宗派にも属さない仏教の僧侶の方です。
宗教と聞くと、信者として信心を捧げたり、願をかけたり、祈ったり、すがったりなどといったイメージがありますが、『原始仏典に書かれたブッダの考え方というのは、物事を合理的に理解し、考え、具体的な方法論で問題を解決するためのもの』ということです。
宗教というより、哲学や心理学の範疇に近いと思います。
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「はじめに」から抜粋
どんな悩みも解決できるシンプルな〝考え方〟がある
悩みの始まりには、きまって〝心の反応〟があるのです。
心がつい動いてしまうこと──それが悩みを作り出している〝たった一つのこと〟なのです。
ムダな反応をしないこと
もともと、ブッダの教えとは「心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける方法」のことです。
その内容は大きく二つ──①心の反応を見ること、②合理的に考えること、です。 「心の反応を見る」(①)とは、おなじみの「座禅」や、最近よく聞くマインドフルネスやヴィパッサナー瞑想のこと。面白いことに、心の反応・心の動きをよく見れば、ザワついた心は静かになります。
また「合理的に考える」(②)とは、目的がかなうよう、筋を通して考えること。
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無駄な反応をしなければ、事実にのみ基づいて、自分の魂のままに自己実現すべく淡々と人生を推し進めていくことができると思います。
他者の言動が、自分にとって悪影響がありそうであったり、不必要であったりするとき、自分は自然体のままで、場合によっては気がつかずにスルーすることもできるようになり、自分が欲すれば自ずと良い反応が現れることになるのだと思います。
具体策のひとつとして、ブッダは、判断をしないことを挙げています。
他者をジャッジしないということは学びましたが、『何事においても判断しない』ということなのです。
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スポーツについて考えてみると、
ひと昔前に比べて遥かに向上しましたが、日本人のスポーツ選手は、外国勢に比較すると、試合に臨んで、まだメンタルが弱いところがあります。
無意識レベルで日本人特有の自信のなさやあれこれ考えを回らせたり気にしたりする心が作用して、高度な集中状態に入ることができないでいるのだと思います(自分自身に関する分析です)。
本書の内容を理解し実践すると、他の選手のことが全く気にならなくなり、さらには、本番において自己記録を延ばせるメンタルが自分のものにできるのではないかと思います。
スポーツで考えてみるとわかりやすく、スポーツ以外でも同じだということが浮かび上がってきます。