20代の頃
その当時働いていた職場で
気が合う2つ下の男子社員がいました




彼の仕事が終わると電話があり
家まで迎えに来て深夜ドライブのはじまり






波の音を聞きながら語り合ったり

膝枕してあげながら星を眺めたり

夜が明けるまで海や夜空を眺めていました





そんなある夜
車から降りて空を見上げると



雲の形がみるみる姿を変え
羽を広げた大きな鳳凰があらわれました


驚きと感動で涙がジワリ

彼と共有したくて慌てて
あそこにほら!あそこだよ!と
興奮するも



彼は目?な感じで冷静に私を見ながら
バカにするでもなく
探すしぐさをしてくれました


あっという間に形は崩れ消えてしまい

彼は鳳凰ねーと小さく呟き
黙って夜空を見上げ続けていました 


この人優しいな… 


彼の横顔を見てそんな事を思い
幸せでせつなくて胸がキュッとなりました



鳳凰は気のせいだったのか
そんな体験をしたのは
後にも先にもその一度きり


星空と恋と鳳凰と…

遥か昔のおはなし



肉体年齢は重ねても

がっかりするくらい心は
あの時の私と今も変わってない





だけど


随分変わった気もするよ