
世界保健機関(WHO)が、発表した2000年~2019年の20年間の「世界の死因トップ10」は、
1位は 虚血性心疾患
2位は 脳卒中
3位は 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
4位は 下気道感染症
5位は 新生児疾患
6位は 気管がん・気管支がん・肺がん
7位は 認知症
8位は 下痢症
9位は 糖尿病
10位は 腎臓病
でした。
それに対して、日本の厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」(令和元年2019)によると、日本での死亡原因は
1位は 悪性新生物(腫瘍) 27.3%
2位は 心疾患(高血圧性を除く) 15.0%
3位は 老衰 8.8%
4位は 脳血管疾患 7.7%
5位は 肺炎 6.9%
6位は 誤嚥性肺炎 2.9%
7位は 不慮の事故 2.9%
8位は 腎不全 1.9%
9位は 血管性及び詳細不明の認知症 1.5%
10位は アルツハイマー病 1.5%
です。
世界的にみても死亡原因の上位に、「戦争」はありません。
ほぼ病死であり、日本に於いては「老衰」が3位にランクイン!!
日本が高齢化するわけです。
これは喜ばしいことなのか?最後まで健康で長生きしているなら良いんですけれどね。
また、2019年の世界の自殺者ランキングで、日本は、25位(G7では一位)です。
日本の死因ランキング7位に「不慮の事故」とありますが、この中に自殺者が含まれるのでしょう。
自殺率が高いということは、幸福率が低いことの現れです。
尚、みなんさんが好きな韓国も自殺率世界4位です。
見た目の華やかさで幸福度は図れません。
さて、前回お話したようにドイツの精神科医のV・フランクルは、著書にて「それでも人生にイエスという」と語っています。
彼は、ナチスドイツの政権下、有名な強制収容所生活で動物以下の扱いの中、家族を失い、過酷な強制労働を経験して生き延びた人です。
人としての尊厳を侵害される究極の精神的圧迫生活の中でも、フランクルが人生を肯定できたのはなぜでしょうか?
精神科医である彼は、「ロゴセラピー」としいう理論を確立しています。
「ロゴセラピー」の主軸となるのは、人の主要な関心事は快楽を探すことでも苦痛を軽減することでもなく、「人生の意味を見出すこと」です。
「人生の意味」を見出している人間は、どんな苦しみにも耐えることができる自ら実証してみせました。
人は、必ず生まれて来たからにはその生に意味があります。
今は、苦しい経験をしていたとしても、それは未来に待っている人のため、未来で果たすべき役目のためなのです。
決して、生きる目標は、成功や賞賛、富を得ることは幸福には繋がりません。
それは、果たすべき役目を為す中での副産物なのだということ。
これは、近年の大谷翔平選手の活躍を見ていると納得できなくもありません。
昔から「金は天下のまわりもの」といいのすが、富はそれを求めて追いかければ追いかけるほど逃げていき、自らの役目を果たすことに全力を尽くすことで後からついて来るものです。
それらは、普遍のものではなくある日、突然、失うことも有り得ます。
幸せは、心で感じるものであり、他者から、どう見ても幸せなだと思える状況に居たとしても、本人が満足できず、幸せを、幸福感を持てなければ、その人は不幸なのです。
昨今、若い子たちの間で「リア充」という言葉を使っていますが、ある種の幸福度を示す言葉として使用されています。
「リア充」とはリアル(現実)が充実しているという意味であり、恋愛が上手くいっている事を示しています。
確かに、親の保護下にあり、最低限の衣食住に困らない学生であれば、恋愛は人生の最優先事項であり、それが上手くいっていることによる幸福感は間違いないのでしょう。
しかし、それが未来に渡って続く可能性は低く、親の保護下から離れた後は、物理的生命維持活動の方が優先される可能性が高いわけです。
また、「リア充」こそ「幸せ」と思い、子供を抱えながら恋愛し、交際相手に我が子が虐待されるのを止められないような親になって欲しくありません。
ですから、生徒たちには、恋愛以外にもリアル(現実)を充実させるものを見出して欲しいと思うわけです。