4th LIVE
空は澄み、今を越えて。
有栖川夏葉&涼本あきほ様宛
フラワースタンド/アレンジ花企画
【まえがき】
はじめまして。そしてお久しぶりです。283プロダクション有栖川夏葉担当プロデューサーのみかんガムと申します。2022年4月23-24日に行われた「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 4th LIVE 空は澄み、今を越えて。」にて、本公演にご出演された有栖川夏葉&涼本あきほ様宛にフラワースタンドとアレンジ花を贈る企画を実施しました。
当日の会場納品はNGでしたので、フラワースタンドは別所にて作成し、写真撮影を実施しました。その後、フラスタに使用したお花でアレンジ花を作成し、涼本さんの事務所にお贈りしました。本ブログでは、お花の解説を中心に、企画に込めた想いを書いていきます。
今回のお花のテーマは、LIVEタイトルにもありますように、「今」です。有栖川夏葉にとって、涼本あきほさんにとって、283プロにとっての「今」について、正面から向き合いました。4年目の集大成に贈るメッセージです。受け取ってください。
※本文中には、有栖川夏葉のカードコミュのネタバレを含みます。コミュ内容のネタバレを避けたい場合は、ご注意ください。
■ お贈りしたフラワースタンド
■ お贈りしたアレンジ花
【お花解説① ~全体の構成~】
それでは、フラスタの解説に入ります。
今回のフラスタは、白いお花でまとめた上段、虹が架かった中段、リーフスタンドの下段で構成されています。そして、これらは同時に「前後のレイヤーに分かれる縦連結フラスタ」でもあります。従来のアイマスフラスタ企画は40×40×180の設置サイズを守らなければなりませんでした。しかし、4thLIVEでは会場に納品できなかったため、サイズのレギュレーションもありません。そこで、既存のレギュレーションに縛られないフラスタの構成を取り入れることにしました。前レイヤーに虹と葉のスタンド、そしてイラストパネルを配置し、後レイヤーに白いお花のスタンドを置くことで、より立体的な見え方になるように工夫しています。
■ ①前レイヤー、②後レイヤー
【お花解説② ~白~】
続いて、フラスタ上段に関する解説です。
フラスタ上段は、白いお花だけで構成されています。今回、白一色を採用した理由は主に2つあります。
1つ目の理由は、pSSR[cheer+]です。事前の告知で、4thLIVEでは5週目のpSSRカードを元にした衣装が使われることがわかっていました。放課後クライマックスガールズの衣装である「セーフクエクストリーム」は白をベースにした衣装なので、構想初期から白を基調にしたデザインにすることは漠然と決めていました。そして、夏葉の5週目のpSSRである[cheer+]も、今回のデザイン決定にあたっての大切な決め手となりました。
■ pSSR[cheer+]有栖川夏葉
[cheer+]の話をするにあたって、ひとつ前のpSSRカードであるpSSR[♡AKQJ10] についても触れておきます。
■ [♡AKQJ10]有栖川夏葉
[♡AKQJ10]には、夏葉が向き合うとある悩みと、それに対する決意が描かれていました。決して好意的な意見ばかりではないアイドルの世界でも、「たったひとりのことも諦めたくない」これが、悩んだ末に夏葉が考え出した答えでした。そして、[♡AKQJ10]実装の約半年後に、[cheer+]は、ライブスキルExcellentアピールをもって登場します。Excellent アピールは、審査員のVoDaVi特性に関わらずExcellent(本来ライブスキルのVoDaViが一致した際の2倍判定)でアピールできるというスキルです。さらに、夏葉のライブスキルである “cheer+”と“cheer++”は「興味無視」と「注目度UP」もついています。「たったひとりのことも諦めたくない」と誓った[♡AKQJ10]の次のpSSRで、どんな審査員にも縛られず、相手の興味に関わらず自分に注目させるライブスキルを持っていたことは、カードの性能以上の意味があるのではないかと考えています。このExcellent アピールは、通称「白札」と呼ばれていることもあり(アイコンが白い)、夏葉の「たったひとりのことも諦めたくない」を象徴する色として、フラスタのメインカラーに白を採用しようと決めました。
■ Excellentアピール
【お花解説③ ~白いツバサ~】
2つ目の理由は、「白いツバサ」です。4thLIVEは、16人4ユニットで始まった283プロが7ユニットへと広がり、遂に7色の虹を空に架けたLIVEでした。
夏葉と涼本さんは、今日までの4年間、様々な「色」に出会ってきました。そんな「今」に至るまでの白いツバサと色の物語を表現するためのキャンバスとして、上段を白一色で統一しました。
■ フラスタ上段(白)
白いツバサは、照らす“光”によって、どんな色にも染まることができます。
4年前。有栖川夏葉は、アイドルになりました。283プロで夏葉は、白いツバサと「緑」という自分の色に出会いました。
■ フラスタ上段(緑)
夏葉は4色のアイドルと出会い、放課後クライマックスガールズとしての活動もはじまりました。
■ フラスタ上段(5色爆発)
5色のアイドルは1つになって、太陽の色であるオレンジ色に出会いました。
■ フラスタ上段(太陽のオレンジ色)
1年目。輝く空。同じ283プロの黄色、紫色、ピンク色とともに、16名4ユニットで、最初の空に飛び立ちました。
■ フラスタ上段(16人4ユニットの283プロ)
2年目。曇り空の先へ。赤色が加入。283プロは5ユニット19名に。
■ フラスタ上段(19人5ユニットの283プロ)
3年目。徐々に色が変わりゆく空。青色が加入。283プロは、23名6ユニットに。
■ フラスタ上段(23人6ユニットの283プロ)
4年目。新たな色が重なる空。緑色が加入。283プロは25名7ユニットに。
■ フラスタ上段(25人7ユニットの283プロ)
4thLIVEでは、ユニットを越えた組み合わせへの挑戦も。今までにない、新しい可能性が広がりました。
■ フラスタ上段(「相合学舎」)
4年の年月を経て、283プロに7色のユニットがそろい、今日、この空に虹を架けることができました。白いお花で作ったキャンバスいっぱいに7色の「色」を載せることで、今まで歩んできた道のりを表現しました。元々色のある花を使うのではなく、また、フラスタ自体を光らせるのでもなく、白いお花に後付けで色を載せたからこそ、色との出会いの物語を表すことができたのだと思います。
今回、「白いツバサ」の歩みを表現するため、フラスタ撮影時にライトの光を使った照明着彩を行いました。初の試みでしたのでギリギリまでやり方を模索していましたが、撮影チームの皆様の協力もあり、無事にやりたいことを表現することができました。協力いただいた撮影チームの皆様、本当にありがとうございました。
【お花解説④ ~虹の物語~】
283プロが歩んできた「虹」の物語に続いて、フラスタ中段に架かった夏葉自身の「虹」の物語についても解説します。
虹の真下は葉っぱだけで作ったリーフスタンドになっており、この虹が有栖川夏葉の物語であることを強調しています。また、参加者パネルもリーフスタンドに配置することで、夏葉の物語に共にプロデューサー/ファンがいることを表しています。
■ 参加者パネル
有栖川夏葉の「虹」の話をするにあたって避けては通れない、pSSR[アルティメットマーメイド]の“Over The Rainbow”というTrue Endコミュがあります。簡単に、True Endコミュの内容を振り返ります。
~あらすじ“Over The Rainbow”~
―――――
「私ね、海が好きなの」夏葉を海に連れてきたプロデューサーに対して、彼女は言います。なぜ、海が好きなのか。夏葉にとっての海とは何か。彼女の「海」の話を聞いたプロデューサーは、自分にできることがないかと尋ねます。その時夏葉が口にする、プロデューサーへのお願いとは…。
―――――
この時、夏葉が口にした
『頑張れ』って言ってほしいわ
『夏葉は大丈夫』って
という言葉にプロデューサーは応え、今日まで夏葉のそばでプロデュースを続けてきました。実際に、[アルティメットマーメイド]以降のカードで描かれるコミュでも、“Over The Rainbow”をコミュの内容を拾ったやり取りが散りばめられています。
■ Over The Rainbow
では、“Over The Rainbow”の物語は「今」、どこにあるのでしょうか。
その答えの一つは、pSSR[cheer+]がカギを握っていると考えました。[cheer+]に、“up!”というコミュがあります。このコミュについても、簡単に振り返ります。
~あらすじ“up!”~
―――――
夏葉の特技である「トータルコーディネート」を活かしたテレビ番組への出演が決まります。その打ち合わせで出会った番組スタッフの、少し配慮を欠いた発言に対して、夏葉は堂々と「――新しい私……有栖川夏葉をお見せします」と切り返します。打ち合わせのあとの車内で、プロデューサーが夏葉に対してかけた言葉は…。
―――――
とある選択肢を選ぶと、夏葉は言います。
「私、もう聞かなくてもわかるの『夏葉は上手くやれる』って」
「アナタがそう言ってくれること」
「だからいつだって、自信を持っていられるのよ」
と。
“言ってほしい”から“もう聞かなくてもわかる”へ。短いセリフではありますが、“Over The Rainbow”のやりとりを踏まえると、夏葉とプロデューサーの積み上げた信頼の変化を表す言葉にも聞こえてきます。[cheer+]は、夏葉が番組に出演した女の子に、“自分に自信を持つこと”の大切さを、見た目だけでなく心もコーディネートすることで伝えるコミュです。自分の自信から誰かの自信へ、有栖川夏葉のアイドルとしての成長に触れられる[cheer+]は、“Over The Rainbow”の現在地である「今」を表現する大切なカードであると考えています。
【お花解説⑤ ~今を越えて~】
これまで、「今」に至るまでの物語を書いてきました。では、「今」を越えた先には、どんな空が待っているのでしょうか。ふたりの進む先の空の色は、まだ誰にも分かりません。
それでも、有栖川夏葉なら、涼本あきほさんなら、次の空に向かって走り続けているだろうと思いました。
舞台における下手(左側)は未来を表しています。未来に向かって真っすぐに走るふたりの姿を表現したくて、今回のイラストは下手を向いた横顔でオーダーしました。イラストパネルをフラスタの左端に設置したのも、白いツバサのキャンバスを広く取りつつ、枠に収まらないふたりの勢いを表現したかったからです。
もちろん、今回もイラストのふたりが着ている衣装は全く同じ衣装ではありませんので、衣装の差分まで描き分けてもらっています。是非、どこが違うのかを探してみてください。
■ 未来に向かって走るふたり
今回、フラスタの撮影をした後、使用したお花を使ってアレンジ花を作成し、涼本さんの事務所にお贈りしました。アレンジ花の真ん中には、フラスタにはなかったタイムカプセルが埋まっています。
今回の企画進行にあたり、事前に企画参加者様より「LIVEで声を出せるようになったら伝えたいメッセージ」を集めており、こちらのメッセージをタイムカプセルに閉じ込めてお贈りしました。お花に添えた涼本さん宛の手紙では「LIVEで声が出せるようになったら開けてください」とお伝えしています。
■ メッセージは、タイムカプセルに閉じ込めて
■ 「この空を見ているあなたへ この声が届きますようにと」~4thLIVEのPVより~
[cheer+]のコミュのように、「言わなくてもわかる信頼」がある一方で、この2年間で伝えたくても伝えられなかった声もたくさんあると思います。
4thLIVEではまだ届けることができなかった、私たちプロデューサーの声。いつの日か、来るべき日に届けるために、また、その未来に私たちがまた居合わせられるように願いを込めて。
今はまだ伝えられない声をタイムカプセルに閉じ込めて、これからも全力でプロデュースし続けます。そして、その日を迎えた時に、思いの限りの言葉を届け合いましょう。
未来へ。今を越えて。夏葉と涼本さんと一緒に、この先の空に向かって走り続けていく約束が、このお花企画の最後の贈り物でした。
【あとがき】
ここまで、フラスタ解説を読んでいただき、ありがとうございました。
私が今できる全力を、このお花に込めたつもりです。
今までの当たり前が当たり前でなくなってしまい、そして新しい様式が確立されつつある中で、「今、フラスタ企画を行うなら?」という問いへのひとつのアンサーとして、「レギュレーションに縛られない表現へのチャレンジ」を行いました。
今回のフラスタには、縦連結、照明着彩、端っこに寄せるイラストパネルなど、普段の会場納品ではできない要素を盛り込んでいます。フラスタの会場受け取りNGはまだしばらく続きそうですが、お花を贈るという素敵な文化に新しい可能性が広がる一つのきっかけになれば、一人のフラスタ企画者として大変うれしく思います(もちろん、レギュレーションがあるイベントでは遵守します)。
また、新しい形を模索する一方で、今までは当たり前であったフラスタ展示会を、企画参加者様向けに実施しました。
アイマスLIVEの会場納品ができなくなってから約2年。企画に参加いただいたのに実物をお見せできない歯がゆさ、悔しさがあり、各所に調整の上、今回の展示会実施に至りました。
当日は、実際の完成形を見ていただけたことはもちろん、ずっとお会いできていなかった参加者様へ日頃の感謝をお伝えできたり、直接フラスタの解説をさせてもらったり、短い時間ではありましたが、大変充実した展示会となりました。初めてフラスタ企画を行った時から一貫して、名前を連ねてお花を贈ることの心強さを信じて「企画」としてお花を贈ることにこだわってきましたが、今回のフラスタ企画を通して、改めて参加していただけることのありがたさを実感する機会となりました。
企画にご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。いつの日か、現地納品ができるようになって、声優さんはもちろん、もっと多くの方に見ていただけるようになることを願っています。
そして、いつもお世話になっている企画チームの皆様へ。
私の無茶な依頼をイラスト/デザインですべて形にしてくださるMAIROさん。
今回、お花の制作だけでなく、展示会でもたくさん力を貸してくださった、フラワーショップルッホさん。
撮影会では技術面で全面的にサポートしていただき、素敵な写真に仕上げてくださったゆずこしょうさん。
本当にありがとうございました。
最後に、最高の担当アイドルの有栖川夏葉と、涼本あきほさん。4thLIVEも、最高に楽しい放課後を過ごすことができました。「担当プロデューサー」という肩書きを名乗ることが「特別」と思えるのは、ふたりだからこそです。
まだまだふたりと見たい景色がたくさんあります。あの日走り出した虹の物語の行方はどこへ行くのか、この先も一緒に見届けさせてください。
今回のお花が、4周年を迎え、その先に走り出していくあなたのための“cheering”となれば幸いです。では、また次の空でお会いしましょう。
有栖川夏葉(CV涼本あきほ)担当プロデューサー
みかんガム
■ 次の空へ
追記:
THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings.にて、涼本あきほさんよりタイムカプセルを開けてくださった旨の報告がありました。
こちらにURLを残しておきます。こちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
https://twitter.com/akihosuzumoto/status/1637797778117238784?s=46&t=057AjSVXqUKUGUbfmm96-Q