両親を見送るってことは、遅かれ早かれ誰もが経験して、乗り越えてきたことだから、私にもできる。
若くして両親を亡くした子供もいる。
いかばかりの悲しみだろうか。
私は半世紀も両親とともに生きてこられたのだから幸せ者だ。
突然の事故や急病で急死した方もおられる。
私の母はアルツハイマー型認知症を発症して亡くなるまで18年前後だった。
父は5年くらいで坂道転がるみたいに悪くなっていった。
私はじっくり心構えができる時間を与えられた。
だから、その時が来ても、耐えられる。
そう思っていた。
でも、やっぱり悲しい。
母が発症してから、父が弱っていって、母を見送って、父を見送るまで20数年間
手をつないで散歩して、一緒に歌ったり、踊ったり、笑ったり泣いたり、おむつを替えて、体を拭いて、ご飯たべさせて…
体が動かなくなって、言葉もでなくなって、反応が鈍くなっても、なんとか笑ってくれないかと、顔をなでたり手を握ったり、笑いかけたり話しかけたり歌ったり…
私、子供育てたことないし、育児している人から見ると、とんでもないって言われるかもしれないけれど…
きっと前世では、両親は私の子供だったにちがいないと思ってた。
だから、やっぱり、悲しい。
いろんな立場の人がいて、いろんな見送り方をされていると思います。
でも悲しさの程度とか、比べられない。
みんな悲しい。