家に着くと母は痩せてしまって、動く元気もないようでした。

 

母が言うには、おなかにゴムホースが入っていて、それをねじちぎっているように痛む。

けれどそれは座っているときや立っているときで、横になると楽になる。

ごはんを食べるとすぐにおなかが張ってごはんが食べられない。

 

わたしの頭をよぎったのはがんではないかということ。

祖母は胃がんで60代で亡くなっていました。叔父も大腸がんで亡くなっていました。

とうとう母にも来たか。

 

すぐに訪問リハビリにきてくれていた理学療法士さんに連絡を取ると

その方の病院で診ていただけるというので、さっそくタクシーに乗せて

母を病院に連れていきました。

その病院は入院もできる消化器内科の専門医のいる病院でした。


血液検査とレントゲンをしてとりあえず点滴をしてもらいました。

入院して検査しないと腹痛と痩せの原因はわからないけれども、

急を要することではない。ベッドが空いていないので、ベッドがあくまで

毎日点滴に来るようにと言われその日は家に連れて帰りました。

 

母はわたしが帰ってきたので少し落ち着いたようでした。

それから5日間毎日点滴に通って、その後入院。

 

点滴に通うとすこしずつ元気をとり戻してきましたが、母からはすごい異臭がしていました。

急に痩せすぎるとケトン臭というにおいがするそうです。

 

わたしがついていなくてもひとりでいられるというので

父はデイサービスに通っていた施設にショートステイで預かってもらい

わたしは仕事があるので、とりあえず自宅に戻りました。

 

母はその年の前々年に弟を大腸がんで亡くし、前年には父親を看取っていました。

4人兄弟の長女である母は、父の介護をしながら病院に通って看病もしていました。

おそらく相当なストレスがあって、そのせいもあるかもしれない。

がんでもないようだし、しばらく入院してゆっくり休めばきっと元気になるとそのときは思っていました。

 

 

マリンライナーから見た瀬戸内海です。瀬戸大橋・・・何度渡ったろうか。