発展する中国の新しい姿を示し、世界の文明の粋を集めるとして、世界から注目される中国2010年上海国際博覧会(万博)の開会式が30日夜、上海万博文化センターで盛大に行われ、胡錦涛国家主席が出席して、上海万博の開幕を宣言した。開会式には李長春、習近平、李克強、賀国強、周永康氏ら党と国家の指導者、博覧会国際事務局(BIE)のラフォン議長、世界各国の首脳と賓客が出席した。

上海万博は北京オリンピックに続いて中国で開かれる国際的ビッグイベントで、発展途上国で初めて開かれる登録国際博覧会でもある。今回の万博のテーマは「都市、生活をよりよく」で、世界各地からの参加団体が展示、公開討論、実演などの形で、都市の未来の理念を探り、人類進歩の明るい展望を語る。

夜の帳が降り、黄浦江の両岸に灯火がまたたき、万博会場に光があふれた。空飛ぶ円盤のような形をした上海万博文化センター内に、8000人余りの観客が集まり、開幕の時を待っていた。

午後8時ごろ、軽快な曲の中を、胡錦涛、ラフォン氏らがヒナ壇に上がり、観客に手を振ってあいさつした。満場から長い、割れるような拍手が起きた。

舞台中央の大スクリーンに中国らしい彩墨のハスが現れた。700人の少女が舞台に美しく立った。手には澄んだ水晶の玉が握られている。無数の白い球が降りてきて、調和を象徴する平和のハトを形作った。中国の各民族服を来た若い男女が、「和諧歓歌」(楽しい調和の歌声)の曲に合わせて舞い踊る……創意にあふれ、ロマンに満ちた開会式の序幕は、万博を迎える全国人民の喜びの気持ちを表し、現場の雰囲気を盛り上げていた。

8時10分ごろ、司会を務める上海万博組織委員会第1副主任委員の兪正声上海市党委書記が全員の起立を求め、軍楽隊が中華人民共和国国歌を奏し、鮮やかな五星紅旗が上がって、会場に翻った。BIE曲と上海万博のテーマソングに合わせて、BIE旗と上海万博旗も掲げられた。

出展団体の旗の入場式が始まった。元気一杯の少女たちが参加国と国際組織の旗を手に、音楽に乗って、舞台両側から次々に入場した。上海万博には計246の国と国際組織が参加しており、世界からの参加数は万博史上の新記録となった。色とりどりの旗が壮大な陣形をなして、世界中の友が上海に集い、共に祭典を開くことを象徴していた。

上海万博組織委主任委員の王岐山副首相が開会式であいさつし、BIE加盟国に感謝し、246の国と国際組織および内外企業の出展者に感謝し、全国人民とりわけ上海市人民と上海万博の建設関係者、スタッフとボランティアに感謝した後、次のように述べた。初めて都市をテーマにした上海万博は未来の都市の扉を開き、新しい生活様式を導き、人と都市、自然の調和をはかり、平安で、文明化した、幸福な都市づくりを促進するだろう。われわれは周到なサービス、心からの笑顔によって、すべての入場者に中国で、成功裏の、精彩に富んだ、忘れがたい万博を体験してもらうだろう。

ラフォンBIE議長は中英仏3カ国語であいさつし、今回の万博によって、人々が認識を高め、より永続する、より公正で、より安全で、より調和した都市づくりに努めるようになるものと信じており、上海万博の成功を祈ると述べた。

8時29分、感動的な時が訪れ、胡錦涛国家主席が、中国2010年上海国際博覧会はここに開幕したと高らかに宣言した。

場内では彩色旗が打ち振られ、太鼓の音がとどろいた。大スクリーンに咲き誇る花々と輝く笑顔が映し出され、舞台で子供たちが飛び跳ね、各民族の青年が歌い踊った。場外では色とりどりの花火が上がり、夜空に映えていた。場内場外の激情が合わさり、歓声が連なって、上海万博の盛大な開幕を共に祝った。

続いて、内外の芸術家が舞台に上がり、みごとなアトラクションを繰り広げた。

出し物が終わると、胡錦涛氏らは万博文化センターのバルコニーに出て、花火の競演を楽しんだ。

開幕式には、アルメニアのサルキシャン大統領、コンゴ共和国のサス大統領、朝鮮(北朝鮮)の金永南最高人民会議常任委員長、フランスのサルコジ大統領、ガボンのボンゴ大統領、ケニアのキバキ大統領、マラウイのムタリカ大統領、マリのトゥーレ大統領、ミクロネシア連邦のモリ大統領、モンゴルのエルベグドルジ大統領、パレスチナのアッバス大統領・自治政府議長、韓国の李明博大統領、セーシェルのミシェル大統領、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領、カンボジアのフン・セン首相、欧州連合(EU)欧州委員会のバローゾ委員長、カザフスタンのマシモフ首相、オランダのバルケネンデ首相、ベトナムのグエン・タン・ズン首相ら世界各国の首脳が出席した。

さらに劉雲山、李源潮、郭伯雄、何勇、令計劃、王滬寧、韓啓徳、孟建柱、戴秉国、黄孟復各氏と李継耐中央軍事委員が出席した。

曽蔭権香港特別行政区行政長官、崔世安マカオ特別行政区行政長官が開会式に出席した。

連戦、呉伯雄両中国国民党名誉主席、宋楚瑜親民党主席、郁慕明新党主席、林炳坤無党団結聯盟主席が開会式に出席した。

ロサーテイルズBIE事務局長と関係国際組織の責任者も出席した。

「心の和、技の和」をテーマとする日本館は現在の世界的難問を乗り越え、持続可能な発展を実現する最新技術の探求を全方位的に示している。

水資源の不足と汚染というこの普遍的問題をめぐって、日本館は下水道の汚水を浄化して飲料水にする新技術を展示している。新エネルギー開発については、日本館は2020年に「汚染排出ゼロ都市」を築くことを長期目標とし、発電できる床板や窓、家庭用燃料電池、有機照明などの新技術を展示。そのうち発電できる床板は人が踏んだり、他の外的力が作用したりすることで発電できるというもの。また透明で薄型の太陽電池を窓ガラスに張ることで発電できる。大気中にある水素と酸素を利用して家庭に電力と温水を供給できる。

生産分野では日本館は二つの新しい環境保全技術を重点的に展示している。一つは水素製鉄で、通常の製鉄技術に比べて二酸化炭素の排出を3割減らすことができる。もう一つは炭素分離回収・貯留技術で、工場や発電所から出る二酸化炭素を回収し、地下に貯留するものである。

日本館はまた特殊な「ライフウォール」を展示している。未来の生活で部屋の壁とテレビを一体化したもので、ジェスチャーで直感的に操作でき、さまざまな素晴らしいコンテンツを鑑賞できる。このほか「ライフウォール」は人の移動に伴って情報も動く機能がある。

老齢化社会に直面し、日本館は介護・医療支援、家事支援のロボットも展示している。これらロボットは高度制御技術によってロボットの両手、両腕の関節を柔軟に動かすことができ、またバイオリンを上手に演奏することもできる。

【上海・鈴木玲子】中国・上海万博 は1日、開幕から1カ月を迎えた。入場者数は累計803万人となり、記者会見した洪浩事務局長は「運営状況は安定している。重大事故は発生していない」と順調ぶりを強調した。同日には参加246カ国・国際機関のうち最後となるイラク 館がオープンし、すべての施設がようやく稼働した。

 上海万博は184日間の期間中、史上最多の入場者数7000万人(1日平均38万人)を見込んでおり、これまでの実績は単純計算だと見込みの7割弱にとどまる。ただし、開幕直後の5月5日に9万人を下回るほど低調だった人出も、地方の団体客が増えると共に増加。21日以降は12日連続で30万人を超え、29日には50万人を記録した。

 一方、会場内での海賊版グッズ販売など不正行為やマナー違反も横行している。

 入場者の間では、各パビリオンの記念スタンプ集めが大流行。専用台紙の「万博パスポート」は連日昼前には売り切れ店が続出する。この人気に目をつけ、スタンプを押したパスポートを転売する者が後を絶たない。中国館近くでは、パスポート5冊を手にした若い男性が1冊300元(約3900円)で売りつけていた。定価の10倍の値段だ。転売屋の続出に、1人がスタンプを押せるパスポートの冊数を制限するパビリオンが増えているが、抜本的な対策は見つからない。

 近くにいた男性は、公式マスコット海宝 ハイバオ )の海賊版キーホルダーを1個10元(約130円)=正規価格は25元前後=で売っていた。

 人気パビリオンでは、長蛇の列を避けようと障害者や70歳以上の高齢者を装い車椅子に座って車椅子優先列に並ぶ家族連れもいる。万博事務局は「車椅子の貸し出しの際、障害者や高齢者の証明書の提示を求めるようにした」と説明する。