『イノセンス』

1995年に公開された「GHOST IN THE SHELL」の続編として
2004年に公開された押井守監督による劇場版アニメーション。
第25回日本SF大賞受賞
第57回カンヌ国際映画祭コンペ部門にて上映
日本のアニメーションとしては史上初の選出となった作品。
好きな作品のひとつである。





少佐こと草薙素子が電脳の海へと消えてから3年後
ロクス・ソルス社製の少女型愛玩具用ガイノイドの原因不明による暴走が起き、所有者を惨殺するという事件が相次ぎ発生。被害者のなかに政治家や元公安関係者がいたことから、公安9課が事件を担当、バトーとトグサが捜査へと向かう。やがて事件の核心へと迫るバトーとトグサはロクス・ソルス本社のある択捉経済特区へと侵入するも、ゴーストハックされたトグサが電脳の疑似現実のループへとハマってしまうが、ある人物からのヒントで脱出、そして事件の鍵となるガイノイド製造プラント船へと乗り込んでいく・・・。


映画のキャッチコピーは「イノセンス、それはいのち」
押井守監督曰くそのテーマは「人間には身体がない」
非常に哲学的な作品と感じるのは、作中で引用されている言葉の
数々によるのだろう。
一例として
釈迦の言葉「孤独に歩め。悪はなさず、求めるところは少なく。
      林の中の像のように。」
プラトン 「神は永遠に幾何学する。」
ダビデ  「その思想の数はいかに多きかな。我これを数えんとするも
      その数は沙よりも多し」
(Wikipedeaより)

だが個人的にはこれはバトーの純愛物語である・・・と思っている。
素子が居なくなったことでどこか不安定なバトー。
そんな状態でいるゆえか簡単にコーストハックされたりしてる。
一見強面でタフガイのようなバトーだがその心は非常に繊細なのだ。
また純愛といったものの、バトーが求めるものはただ一つ
素子と共に並び立ち闘いたい・・・
一言でいうと「俺の背中を預けられるのは素子だけだ」
となるだろうか・・・
(あくまで個人の感想ですのでご容赦を)(;'∀')

ただイノセンスの中で素子自身が姿を現すことは殆どない。
製造プラント船内で暴走したガイノイドに襲撃されるが、一体のガイノイドがバトーと共闘してくる、それが素子である。そして共にこの暴走を止めるべく動くのだが、その時のバトーはとてもバトーらしい。



作品の中でバトーは一匹の犬を飼っている。
この犬は生身の犬である。
機械の身体のバトーが生身の犬を飼う・・・
ある意味そこにテーマの真意が隠されているのかもしれない。




「イノセンス」プロモーション


http://youtu.be/huRSKqAy_j0



択捉経済特区へと侵入するシーンで川井憲次氏の曲が
また雰囲気を盛り上げていて特に好きなシーン


http://youtu.be/TI-34kvA5uo



by鬼灯