2009年、ギリシャで政権交代が行われた。新政権になってからとんでもない事実が発覚する。ギリシャの財政赤字が、当初発表されていた額よりも遥かに深刻な状態になっており、前政権が隠ぺいしていたのだ。

国家財政の健全度合は、対GDPによる尺度で測られる。GDPとは、国民総生産の事。国内で生産された富の総合計のことだ。額が多ければ多い程、豊かな国という事になる。財政赤字になれば、国債を発行して埋め合わせを行う事になる。財政が厳しい国の国債は当然持っているとリスクは高くなる。買って貰うためには金利を上げないといけない事になる。当時、EUで財政が健全とされていたドイツで、金利は2~3%。どころが、ギリシャでは8%にまで上昇していた。

EUには欧州中央銀行という、EU17ヵ国の中央銀行がある。EUにお金を借りたいギリシャであったが、そう簡単には貸してくれない。先ずは、自国で身を削る努力をしなさいという事で、年金と公務員数を減らす政策を行った。これに対し、ギリシャ国民は怒り、暴動が発生する事になる。当然だろう。イギリスも財政はたいがい深刻な状態で、政府が財政を立て直す改革を行うと、暴徒化する。どこもそうだ。

EU国内には、ドイツのように経済が順調な国もあれば、ギリシャ、イタリアなど、景気が悪い国もあるので、全ての国の事情を考慮した上での金融政策を行うが難しい。大変頭の痛い話である。結局、ドイツのメルケル首相がギリシャを援助する事で一応ギリシャは破綻を免れている。ギリシャ危機の影響でユーロ安に動いたため、ドイツはこの恩恵も受けている。ドイツの車が海外で良く売れたようであった。