4月から障害者差別解消法が改正され、合理的配慮が民間企業にも義務付けられます。今回の改正は雇用関係ではなく、一般のサービス業や製造業などの合理的配慮義務化です。
そもそも、合理的配慮とは「障害連権利条約」のReasonable Accommodation(リーズナブルアコモデーション)の翻訳であり、正確に言えば合理的配慮ではなく、「必要な支援」です。
例えば、車いすユーザーなら、床面をフラットにして動きやすいようにしたり、車いすで入れるトイレを整備したりする事です。
また、駅にエレベータをつける事などもそうです。
しかし、そんなに簡単な事ではありません。障害者の困りごとはひとり1人違うからです。
また、精神障害者については、身体障害者のようにリフォームが必要ではありませんが、精神障害者のほうが、それぞれ必要な支援も異なります。
電車に乗る時の支援や、これはごく当たり前の事ですが、補助犬の入店を認めるような配慮も必要です。
あくまでも、民間企業ができる範囲ことのみで、過剰な負担は含まれません。例えば、乙武氏のように、エレベータがない建物で、2階のレストランに入りたい、と言うのは過剰であると思います。
ここで、私が不満に思うのは、「障害者差別解消法」の改正であり、「差別禁止法」でない事です。
差別解消法は理念法であり、ろくに罰則規定もありません。例えば、企業が障害者に不当な差別をした時は、それを行政に報告し、助言、指導、勧告を受けねばなりません。それを怠ったり、虚偽の申告をした場合でも、20万円以下の過料になります(科料ですらないのです)。
何度も書いていますが、「障害者差別禁止法」の制定と「国内人権機関」の設立を求めます。