小泉八雲の著書「怪談」では、
松山の桜にまつわる話がふたつ収められています。
そのひとつは、前回見に行った「十六日桜」。
日を改めた3月19日日曜日。
今回は、もうひとつの話に登場する、
「うば桜」を見に行ってきました。
うば桜は優しい乳白色。
愛媛県最古の木造建築物、国宝大宝寺の本堂を前に
今がちょうど満開の時を迎えていました。
学名はエドヒガン。
樹齢300年以上にもなる古木です。
うば桜は松山市の天然記念物に指定。
何本もの添え木に支えられながら
大きな枝をぐーんと空に広げ、
たくさんの花を咲かせています。
話に登場する乳母、お袖の像。
重い病になった長者の娘の回復を命をかけて祈り、
お袖の遺言の通りに植えられた桜は
うば桜と呼ばれるようになりました。
今年も満開になった花を
この場所でそっと見守っていらっしゃいます。
メジロさんも、花から花へと大忙し。
元気よく動き回る姿に追いつけず、
この日も振り回されっぱなしとなりました。