http://www.weblio.jp/wkpja/content/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%9F%BA%E7%9D%A3%E6%95%99%E7%B5%B1%E4%B8%80%E7%A5%9E%E9%9C%8A%E5%8D%94%E4%BC%9A%E3%81%AE%E5%B9%B4%E8%A1%A8_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%81%8C%E4%B8%AD%E5%BF%83%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BB%A5%E9%99%8D

1980年
12月 布教が認められていないアフリカのタンザニアで笹本正樹宣教師が闇ドル売買のおとり捜査にひっかかり、逃げようとしたところを警官に射殺される。統一教会初の殉教者となる。

 

 

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/104/0080/10404160080007c.html

第104回国会 法務委員会 第7号
昭和六十一年四月十六日(水曜日) 1986.4.16
    午前十時十一分開議

略)

○柴田(睦)委員 それではわかりましたので、労働省の方はそれで結構です。
 次に、世界基督教統一神霊協会の問題についてお尋ねいたします。これは、マスコミでも親泣かせの原理運動というようなことで批判されておりますこの世界基督教統一神霊協会、一般的には統一協会と言っておりますが、ここではその政治団体である勝共連合、経済部門をつかさどっているハッピーワールド、これが中心になって、知名人を集めた世界平和教授アカデミー、さらに市民大学講座、ビデオセンター、最近では時のキャンペーンに乗って緑の文明研究所、こうしたものまでつくったようですが、もういろいろな形の実に紛らわしい名称の団体をつくってここに善良な市民を誘い入れて洗脳によって統一協会に入会させておるわけです。
 この統一教会、勝共連合あるいはハッピーワールド、このメンバーは今まで事件になって明らかになっているだけでも監禁、保護責任者遺棄致死、窃盗、公職選挙法違反、名誉棄損、薬事法違反、訪問販売法違反、詐欺、挙げれば切りがないほど犯罪を行ってきておりますし、今でもやはり行っているわけです。全国の原理運動被害者父母の会がとらえている分だけでもそういう数の中で二十一名が亡くなったということです。
 教祖の文鮮明はアメリカにおいて脱税などで懲役十八カ月という実刑判決を受けて一九八四年七月二十日にコネチカット州のダンベリ刑務所に収監されました。昨年の夏仮釈放され、現在韓国に帰りましたが、全く反省の色はなくて、私はいかなる罪も犯してはいないとかあるいは政府権力の乱用と宗教的迫害だというようなことを言って勝利集会などを開いて気勢を上げているというのが現状であるわけです。
 そこで、この文鮮明の出入国問題についてお尋ねしたいのですが、これまでの国会論議で、文鮮腿の日本への入国は現状では認められない、これは入管局長が答弁されております。そこで外務省の方に聞きたいのですが、アメリカの入管制度では懲役一年六カ月の実刑判決を受けた人物、こうした人物の入国を認めているかどうか、アメリカの制度についてお伺いしたいと思います。
○沼田説明員 お答えいたします。
 ただいま先生が御質問になられた点は、米国への人国査証の発給が今御指摘のようなケースについてどうなるかという点でございますが、米国への入国査証の発給というのは米国政府が行う行為でございますので、私どもの方から、このようなケースについて米国政府がどのような判断をすることになるかということについて、一般論としてお答えすることはなかなか難しい状況にございます。
 米国の入国査証についての制度がどうなっているかという点につきましては、例えば私どもの手元に米国移民国籍法というのがございまして、この規定を見ますと、ある種の犯罪について有罪判決を受けた人物については査証を発給しないというような規定がございますが、さらにその規定の中身を詳しく見てまいりますと、どういう犯罪を犯したかということによっても違うわけでございますし、それからさらに、犯罪を犯して有罪判決を受けた者であっても、場合によっては司法長官の判断によって、ウエーバーということかと思いますが、一時的な入国を認めるというようなケースもあるようでございます。そういう制度のもと、で、今御指摘のようなケースについて仮に具体的に入国の申請があった場合に、アメリカの当局、この場合には司法省当局ということになるかと思いますが、どういう判断を下すことになるかということについて私どもの方から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○柴田(睦)委員 その規定自体、ウエーバーというのは除外規定でしょうから、原則で言えば懲役の有罪判決を受けた者は入国させない、そういう規定になっているのですか。
○沼田説明員 先ほど申し上げましたように、実際にこの法律を適用していかなる判断が下されることになるかという点について私どもの方から結論のようなことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、法律の規定から見る限りということで答えさせていただきますれば、この移民国籍法二百十二条の中で、例えば不道徳罪によって有罪判決を受けた外国人というものに対してはその入国査証を発給しないという規定がございます。それからさらに、不道徳罪であるか否かを問わず二つ以上の犯罪について有罪判決を受けた外国人については査証を発給しないというような規定がございます。
○柴田(睦)委員 では次に、アメリカではこの文鮮明という人物に対しても厳正に対処して現実に収監までしたわけですが、これに比べてみますと、日本では、いろいろ国会の論議を通じても宗教法人ということを理由にして彼らの違法活動についても極めてなまぬるい対応しかしていないというように私は考えるわけです。

 そこで、明白な刑事事件について尋ねますけれども、統一協会系列紙の「世界日報」の元編集長副島嘉和が一昨年の六月二日の在世田谷区の路上で何者かに刺され重傷を負った事件、これは警察庁の話ではいまだ被疑者特定に至らず捜査中ということでありますが、これはおくとして、この事件とともに、その前の年、一九八三年十月一日に起こった国際勝共連合の理事長である梶栗玄太郎ら約百人くらいが「世界日報」本社を襲って、今言いました副島嘉和ら同社社員に暴行を加えて同社を占拠した事件があったわけです。この事件につきまして、私は昨年の六月五日この委員会でお尋ねいたしましたが、そのときの刑事局長の答弁では「なお捜査を継続中でございまして、できるだけ早い機会に最終処理がなされるものというふうに考えております。」もう間もなく最終処理がなされるというように去年の六月に刑事局長が言われておられたのですけれども、現状はどうなっておりますか。
○岡村政府委員 お尋ねの事件でありますが、昨年の十二月二十六日に東京地検におきまして、諸般の事情を考慮いたしまして、被告訴人五名全員につきまして起訴猶予という処分をいたしております。罪名は暴行、傷害及び暴力行為等処罰に関する法律違反、こういったものでございます。
○柴田(睦)委員 起訴猶予の理由というのは言えないのですか。
○岡村政府委員 詳細につきましてはお答えいたしかねるのでございまして、要するに事件の内容その他諸般の事情を考慮いたした結果の処分である、こういうことで御理解をいただきたいのであります。
○柴田(睦)委員 これは新聞にも出ましたし、それから繰り返し襲撃した、警察官の目の前でやった、こういう事件であったわけですが、普通だったら当然捜査し送検されて調べるのですから起訴猶予ということは考えられないような事件でありますが、こういうふうになってしまっているという現状であるわけです。
 それで次に、統一協会は諸外国においても協会員を派遣して街頭募金、訪問販売といった違法活動で金を集めて文鮮明のところに送金するということをやっております。彼らはこれを世界巡回路程とかあるいは世界的復帰路程とか称しているのですが、彼らの機関紙の「中和新聞」によりますと、一九五八年六月日本で宣教を開始、五九年一月アメリカ宣教に始まりまして、六五年一月第一次世界巡回路程出発、四十カ国、百二十カ所聖地決定、七五年から第三次七年路程、世界的復帰路程というのですけれども、こうなって本格化いたしまして、四月三十日ドイツから八十二名、五月一日アメリカから八十五名、その後日本から九十六名が送られた、こう彼らの「中和新聞」には出ております。その中で、宣教師たちの犠牲と苦難としてビザの問題や迫害を受けた、国外追放、投獄などで苦しかったということも述べております。
そして、女性の宣教師が襲われたり、またテロを受けたこともあり、タンザニアの笹本宣教師は殉教しましたと述べております。宗教活動らしく、もっともらしいことで述べているのですが、実情は、一昨年アメリカで殺害された小松さんにしろタンザニアの笹本さんにしろ、外国での違法行為を統一協会の命令によってさせられていた中での、まさに犠牲者であって、これは統一協会の方に重大な責任があるというふうに考えなければならないと思うわけです。
 そこで、タンザニアの事件はもう大分前の事件でありますけれども、統一協会の責任という点でまだ明らかになっていないので、ここで改めて外務省の方にお聞きしたいのですが、この事件について外務省が把握しておられる内容をまずお知らせいただきたいと思います。
○本田説明員
 この事件は、昭和五十五年十二月十八日、タンザニアの首都ダレサラム市のホテルに宿泊中の日本人笹本正樹が外貨不法取引の疑いで同ホテルに臨検に赴いたタンザニアの警察官二名ともみ合いとなりまして、その際ピストルが暴発して同人の胸部に当たって死亡したという事件でございます。同人の葬儀につきましては同年十二月二十六日にダレサラム市の墓地で行われまして、その後同人の遺体は同基地に埋葬されました。
 なお、同人の旅券申請書には同人の職業としては画家という記載がございます。
○柴田(睦)委員 実際にこの笹本正樹という人がタンザニアでどういう仕事をしていたか、そういう点は調べてわかっておりますか。
○本田説明員 同人のタンザニアにおける活動内容といいますか、どのようなことをやっていたかということについては外務省としては承知しておりません。
○柴田(睦)委員 
画家ということですが、絵をかいていた形跡もありませんし、そしてまた何よりも、今言われましたように外貨不法取引の容疑で臨検を受ける、それに対してもみ合ったわけですから、これはそのことを押さえられないようにということでの抵抗であったと思うのです。まさに彼らがいつもやる訪問販売だとかそういうことで金を集める、そういうことをやって、結局それをタンザニアから持ち出す、そういう外貨の不法取引の容疑があったからこういうことになったと思うのです。それも結局は統一協会の仕事としてやっていたものだ、こう見なければならないと思うわけですが、統一協会に入っていたかどうかということは外務省としては把握しておられるのですか。
○本田説明員 同人が統一協会の会員であったというふうに私ども承知しております。
○柴田(睦)委員 在外公館の場合は一般的にはその地域の日本人の安全を保障するという仕事があるわけですけれども、安全を保障するということからいえば、日本人がその地域に行ってその国の法律に触れないように指導する、そういうことはやられるわけでしょうか。
○本田説明員 在留邦人の海外における安全確保であるとか保護の問題それから犯罪に巻き込まれないようにというような問題につきましては外務省の邦人保護の一環としてやっておりまして、一般的に今重点的にやっておりますのは、特に治安の悪いような地域における邦人保護という観点から、在外公館の方で在留邦人と協力しまして防犯の手引等の作成によりまして邦人の防犯の認識、意識を高めて邦人の安全を確保する、あるいは地域によりまして特に邦人が巻き込まれるようなケースの多い犯罪事案につきましては、その邦人の方に事前に国内におきましてあるいはその在外におきまして外務省の方からいろいろと指導するあるいは啓発をする等をしまして、こういった海外で邦人が犯罪に巻き込まれるケースをできる限り少なくするようにということで各種の措置あるいは努力を行っている次第でございます。
○柴田(睦)委員 じゃ外務省は終わりました。
 それから、統一協会の教義に基づきます重要な儀式となっております集団結婚に関連してお聞きしたいと思います。
 さきに言いました「中和新聞」によりますと、一九七〇年十月二十一日七百七十七組、七五年二月八日千八百組、八二年七月一日二千七十五組、同じ年の十月十四日六千組の集団結婚が行われたということが書いてあります。昨年の秋ごろからことしの春にかけて韓国において集団結婚が行われるということで、私のところにも七、八十名ぐらいの協会員の父母の人たちから何とか韓国への渡航を食いとめてほしいという陳情が寄せられました。そこで人権擁護局長にお尋ねしたいのですが、統一協会に入ると自分の住所も親に教えないというのが現状です。また一定のところに住まわせて親が面会に来ても会えないという現状です。そこでこうした父母からの、息子、娘の居所を知りたい、それから法務省の手で会わせてもらいたいという要望があります。韓国への渡航をやめさせてもらいたいという要望があるわけです。この要望をかなえさせてやるのは、家庭破壊を食いとめて、過去の状況から見ますとまさに子供の身の安全を願うということからそういうことで苦しんでいる両親を助けてやるためには絶対に必要なことだと思うわけです。
    〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕
全園原理運動被害者父母の会の話では、この窓口
となっておりました東京法務局は、これが問題になって、最初は統一協会に対して強力に対応してもらって、面会などもできて喜んでおった父母もいたわけですけれども、現在は反対に統一協会の言い分に耳をかす方が多くて、法務局の対応には疑問があるというように苦情を漏らしている親が、全部とは言いませんが、大分あります。これは、現実に何人もの死者を出してまで海外に派遣して、違法活動をさせますし、国内でも、さっき幾つか見ましたように、多くの犯罪を犯している統一協会に対してもっと強い姿勢で臨む必要があるというように私は思います。また、父母の人たちも、洗脳された子供たちに対して法務省が何とかして救済をしてくれないかという強い要望があるわけです。
 法務省の方も、中野の富士見中学のいじめによる自殺事件については強力な調査権を発動して、勧告までなさいました。この統一協会の場合は、宗教は隠れみのにして犯罪行為を積み重ねているわけで、富士見中学校の問題と比べても本当にひどい、悪質なものであると言わなければならない、そういうものであるわけです。この犯罪集団に恩子や娘を取られた親たちが子供の身を心配するのは当然であって、親たちの切実な声に耳を傾けて、統一協会に対してもっと強力な調査を行って、必要な措置をとってもらいたいと思うわけです。今までそういうことを言うと、宗教団体であって、また、向こうにも言い分があってとか、強制する権限がないんだとか、いろいろ言われますけれども、そういう言いわけを抜きにして、現実の統一協会の姿をしっかりつかんで、必要な措置をとってもらいたいと思うわけですが、その決意を伺いたいと思います。
○野崎政府委員 御指摘のように、統一協会の布教活動や入信者の信教活動によりまして、親子の間に断絶を生じたり、家庭が破壊されるというような事件も生まれてきておることは、私どもも承知をいたしておるところであります。
 入信者の親や親族などから入信者を捜したり面会を求めたりするような場合には、もっぱら人道上の見地から東京法務局が、ただいま委員の仰せのように統一協会との仲介をいたしまして、その実現を図るなどいたしてまいりました。この趣旨をさらに徹底させるべきであるということで、ことしの三月、東京法務局においてこのような取り扱いをしておるんだということを、改めて全国の法務局、地方法務局に通知をいたしまして、その周知徹底を図り、各地の法務局においても統一協会の入信者の父母などから相談があった場合には適切に対応できるようにいたしたところでございます。
 今委員が仰せのように、統一協会の活動というものはすべて犯罪活動であるというふうに言えるのであれば、また問題は簡単なのかもしれませんけれども、しかし、なかなかそういったことを言えるかどうかは疑問であろうかと思います。信教上の問題もありますし、また、入信している者はほとんど成人でございます。こういったことを考えて、人権擁護機関としていかに対処すべきかということになりますと、私どもにも非常に苦労のあるところでございます。もとより、人権侵犯があるということが判明いたしますれば、私どもといたしましても厳正に対処いたしますことは当然でございますけれども、今後とも、人権相談等を通じましていろいろな御父兄の悩みが訴えられましたときには、その解決に向けて協力をしていきたい、かように考えておるところであります。

 

 

 

第102回国会 法務委員会 第21号<ともかくこれは調べれば調べるほど重大な問題

第078回国会 外務委員会 第4号<統一教会関連だけど信者には伝えられていない

第080回国会 法務委員会 第19号より