(アルバム制作日記のつづき)

レコーディング1曲め(仮題『T-4』)を聴いてまず脳裏に浮かんだのは、鷹を肩に乗せ、枯渇した大地の向こうに何かを見据えて立っている、ナウシカのような女性のイメージ。

初め、1番のみのオケを繰り返し聴きながら2番の歌詞も書いてたのだけれど、フル尺のオケが出来上がってきたのを聴いて、2番以降の歌詞は全部書き直しました。

そこで鳴っている音が、全然違う言葉を求めていたから。

あとでプロデューサーの保本さんに聞いてみると、聴く人を飽きさせないよう、同じAメロBメロでも1番と2番では違う楽器を入れたり抜いたりして、ブロックごとに音の世界を変えているらしい。

そういう細やかな工夫があるところも、衝撃的でした>_<。

そんなワケで、じぃっと心の耳を澄ませてその音が求めている言葉を掬い上げ、ようやくフル尺の歌詞が完成☆

プリプロでいろんなマイクを試し、結局SONYの800Gという真空管マイクで歌録りすることに。

そして、いざ本番!

この曲は、とにかく人の背中を押せるような曲にしたくて。

歌を録っている時には、今まさに走っている人、自分の病気と向き合っている人、生き方をあれこれ悩みながら模索している人、誰かに何かしてあげたいと思っている人、いろんなひとが頭に浮かんできて、その都度そのひとに直接言葉をかけるような気持ちで歌いました。


使命感というものは、自分で生み出し作り上げるものだと思う。

世間的な評価や行動の大きさに関係なく、自分で 「自分の時間や労力、いのちをこれに捧げよう」って思えることが、まずはしあわせになれるための第一歩で。

その途中には、いろんなクソ面倒くさいことやイラつくことや、思うようにいかない事が山ほどあって

ほんとうにひとを喜ばせようと思ったら、ゴールが見えるまでひたすら突き進むしかないんだろうけど

でも、ひたむきに取り組むその姿こそが、私は泣きそうになるくらい、すごく愛おしく、尊いと感じるんだよね。


だから、独りになることを恐れず、誰かのためを想ってていねいに生み出されたものが、正当に評価され、そういう価値を交換し合えるような世の中になったらいいなぁ...と思うし

そうやってひたむきに自分のいのちを燃やそうとしてがんばっているひとの背中を押してあげられるような歌を歌いたいって思った。


普段どんなにヘタレでも、ここだけは...!っていう、誰にも譲れない部分やそういう瞬間が、誰にでもあると思うんだけど

そこをテキトーに流しちゃったらきっと、生きる価値や歓びを本気で感じることなんて一生出来ないから

できることなら、誰かのそういう気持ちをその瞬間に後押ししたいし、絶対にできる。っていうブレない気持ちを、その瞬間に伝心させたい。

そんな気持ちを歌に込め、自分にできる最高の瞬間を音に封じ込めて、その日のレコーディングは何とか無事終了。


歌い切った満足感と心地良い疲労感のなか、打ち上げがてら遅めの夕ごはんを食べていた時、保本さんがぽそっと口にしたひと言。


「真空管のマイクだと繊細に歌が録れるんだけど、今日の歌のパフォーマンスも凄く良かったから、もっと力強くパンチの効いた歌も聞いてみたいなって思うんだけど、ダイナミックマイクでもう一度トライしてみない?」


・・・って、そんなこと言われて試してみたくならないワケが無いよね>_<。

というわけで、これにて打ち上げ終了(*゚▽゚*)ノチーン


1曲めのレコーディングはまだまだつづくのでした。。。w



(写真はプリプロでブルーボトルマイクを試してるの図)
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