私にとっての年は無事に明けたけれども、昨年末に起こった出来事で最もショックだったのはやはり、タレントの飯島愛さんが亡くなったことだった。

彼女の生前のインタビューのなかで、彼女が「ダンナはいらないけど子供は欲しい。」と言っている映像が流れた時、深く同情したことを覚えている。


彼女との共通点はきっと、根本的な部分が「さびしさ」でできているところだと思う。


ずっと、常に自分のなかの孤独と闘ってきた。
基本的にいつもひとりで、基本的にいつもさびしくて、ともすると心がぎゅっと握り潰されてしまいそうで、それをごまかそうとしても何だかむなしくて、だからあえて孤独と向き合い、自分のなかの孤独と徹底的に手をつないで歩いてきた。

人間は限りなくどこまでも独りで、だからこの場所からひとを愛そうと歌った。
自分を含め絶対なんてものなど、絶対にないと思っていた。
子供を産むまでは。


今でも憶えている。
ひとり、生まれたばかりの小さな命を胸に包み、コンクリート打ちっぱなしの部屋に戻ってきた日、白いスチールのベッドにそのちいさな生き物をそぉっと置いて隣りに横たわり、ちいさな寝息とちいさな寝顔をじぃっと見ながら、「あぁ、今日から独りじゃないんだ。。。」って、ほんとうにこころの底から思ったこと。あんな底知れぬ宇宙の真っ暗闇のなかでいつも独りぼっちだったのが、その日から、その闇のなかでふたりぼっちになったこと。
その時、闇ってなんてあたたかいんだろうって、思った。
それだけで、生まれてきてよかったと思えた。そのいのちに感謝した。


愛ちゃんにも、そういう思いをさせてあげたかったなぁ…と思う。
コンクリートの部屋で、「寒いよ~(笑)。」と震えてた、愛ちゃん。
次に生まれ変わったときには、そういう巡り合わせ、そういう人生も、送れますように。と、切に願う。
(いまの人生も相当、羨ましかったけどね。)