明けましておめでとうございます。しばらくお休みをいただいておりましたが、11日に無事卒論提出しました。早く続きも書きたいですし、お礼周りにも行きたいと思っていますが、その前に最近話題になった「レンタル障害者」について誠に勝手ながら意見を書いておきましょう。
そもそもレンタル障害者とは
反対の意見が多いかと思いきや、意外にも賛否両論のようです。
肯定派の意見
・障害者の外出の推進につながる
・障害者介助の経験になる
・健常者と障害者の接点が生まれる
・施設側の不利益になる
反対派の意見
・家族・介助者以外の健常者が入館費を払わないのは障害者手帳の悪用である
・手帳の厳格化につながる恐れがある
焦点は、そもそも障害者手帳の制度の趣旨は何か、ということです。その前に、障害者手帳による恩恵をまとめておきましょう。
結構色々ありますが、障害の種類や等級によっても異なります。ここで、入館料の割引が介助することに対する対価であるかどうか、はっきりとした見解はなさそうです。一応厚労省は次のように述べています。
「障害者手帳は、精神疾患を持っている人に付与し、各方面からの援助を受けて、この方が社会復帰をしたり自立できるようにしたりすることが目的です。介助者は、家族や友人、医療機関の人といった障害者に近しい人というのが大前提で、投稿のような手帳の使い方は、制度の趣旨に反していると認識しています」
ちょっと判断はつかないところです。
個人的には、身近でない人が割引を受けることができてしまうと、普段から介助を行なっている家族が不利益になるのではないかと考えます。障害者を扶養している場合控除を受けることができますが、こういったサービスではやや不十分な感じがします。入館料の割引も、「普段から障害者の扶養・介助を行なっていること」に対するものとして捉えた方が平等であるように感じます。
とりあえず暫定的に反対を表明しておきますが、賛成派の意見も十分に理解はできます。簡単にいうと、「福祉サービスは慎ましく使うべきである」という意見と「権利は主張すべきである」という意見の対立であり、特に日本的な価値観においては前者が優勢であるものの後者のような考えを持つ人々による市民運動によってマイノリティの権利拡大につながってきた歴史があることを考えると、後者の意見を無視することはできません。
あと、障害によって違うのではないか、という意見も見られましたが、これも難しいところです。異なる障害を一括りにするのはかなり難しいことですが、種類や度合いによって分断することは社会運動停滞のきっかけとなります。「人によって違う」というのは事実なのですが、議論を下火にしかねません。